Trigence Semiconductorは、Intelの戦略投資部門であるIntel Capitalから投資を受けたと発表。海外への事業展開を強化するとともに、Dnote処理用LSIの継続的な設計・開発や人材の拡充といった事業基盤の強化を進める。
フルデジタルスピーカー技術「Dnote」の設計・開発を手掛けるTrigence Semiconductor(トライジェンス セミコンダクター)は、Intelの戦略投資部門であるIntel Capitalから投資を受けたと発表した。投資規模や投資内容の詳細は明らかにしていない。
Trigence Semiconductorが考案したフルデジタルスピーカーの原理とは? 動作原理やこれまでの開発の経緯はここをチェック。
(1)Trigenceがデジタル駆動スピーカ発表、新たな信号処理回路開発で実現(2008年7月)
(2)「これが次世代のスピーカーの姿」、デジタル駆動型が2011年にも登場か(2010年11月)
(3)“フルデジタル化”でオーディオが変わる、クラリオンが車載向けスピーカーを開発中(2011年12月)
同社が発表したニュースリリースの中で、インテル代表取締役社長の吉田和正氏は「Trigenceのオーディオ技術によって、PCをはじめUltrabookやスマートフォンなどさまざまなデジタル機器で、今までにない高品位なオーディオ体験が実現すると期待している」とコメントを寄せた。Intel Capitalが2012年5月29日に開催した報道機関向け説明会に登壇したインテルキャピタルジャパンのマネージングディレクターを務める出川章理氏は、Trigenceに投資した理由について、「オーディオという観点でユーザー体験を大きく変える可能性がある」ことを挙げた。このような可能性に加えて、商用化の段階に入ったことが投資の決め手になったという。
Intel Capitalは、半導体製造技術や環境保全技術、新しいIT技術、モバイル技術・サービス、ユーザー体験を革新する技術・サービスといった幅広い分野を対象に投資活動を進めてきた。1991年以来、51カ国で1234以上の企業に累積で106億ドル以上を投資してきたという。
Trigenceは、今回の投資によってDnote技術の海外展開を強化するとともに、Dnote処理用LSIの継続的な設計・開発や人材の拡充といった事業基盤の強化を進める。ビジネスモデルとしては、Dnote技術をモバイル機器向けのシステムLSIベンダーなどにIPとして提供する他、自社開発のDnote処理用LSIやモジュールを販売することを想定している。「複数の顧客が商品化の検討を進めており、2012年末までには何らかの最終製品が発表されると期待している。IPライセンスのアクティビティも多々ある」(Trigence)という。
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