IDCは、2013年のPC市場を「2年連続で減少する」としながらも、「タブレット端末は、機能面においてはPCの競合相手にはならない」との見解を発表した。また、2013年後半には、「Windows XP」のサポートが終了することから、PC市場は上向きになると予測している。
米国の市場調査会社であるIDC(International Data Corporation)によると、2013年の世界PC出荷台数は、前年比1.3%減の3億4580万台となる見込みだという。2012年の世界PC出荷台数も前年比で3.7%減だったことから、2年連続で減少することになる。IDCは、こうした縮小傾向の要因として、Microsoftの「Windows 8」の普及が進んでいないことや、消費者が引き続きタブレット端末に高い関心を持っていることなどを挙げている。
IDCは、「Windows 8の登場によって、多彩な機種をそろえた低価格帯の超薄型PC市場が上向くと見込まれていたが、実際はそうならなかった」と指摘する。それどころか、タッチスクリーンの部品の供給が不足したことにより、Windows 8を搭載するタッチスクリーン対応機種の出荷が伸び悩むことになった。さらに、IDCによれば、Windows 8を搭載するPCは、販売価格も高かったという。
また、IDCのバイスプレジデントを務めるLoren Loverde氏は、「新興市場の成長が、大幅に減速している。その上、消費者は、モビリティや利便性の高い機能などを備えた機器を好む傾向にあることから、今後もPC需要は伸び悩むとみられる。しかし、タブレット端末はローカルストレージやファイルシステムに制限があることに加えて、PCのように生産性を重視しているわけではない。このため、タブレット端末が、機能面においてPCの競合相手にはならないだろう。だが、タブレット端末が、その携帯性で消費者を魅了し、売り上げを大きく伸ばしていることは間違いない」と述べている。
PC市場は、2013年前半には厳しい状況が続く見込みだ。しかし、「Windows XP」のサポートの終了により、Windows 8の普及が進むとみられていることから、IDCは、2013年後半にはPC市場は上向くと予測している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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