FinFETなどの3次元ICは、半導体業界のトレンドの1つだ。セミコン・ジャパン 2013では、そうした流れをくんで開発されたエッチング装置やテスト装置が紹介されていた。
半導体業界のトレンドの1つに、FinFETなどに代表される3次元ICがある。「SEMICON Japan 2013」(2013年12月4〜6日)では、3次元ICの加工やテストのニーズに応えられるエッチング装置やテスト装置が紹介されていた。
東京エレクトロンは、3次元構造のメモリやトランジスタ向けにプラズマエッチング装置「Tactras Vigus」「Tactras RLSA」を紹介した。同社によれば、これらの特長は「高選択比」だという。「3次元ICでは、エッチングが必要な箇所と不要な箇所を非常に微細なレベルで判断してエッチングしなければならない。当社の装置は、そうした“高選択比”を実現している」(東京エレクトロン)。
Tactras RLSA(Radial Line Slot Antenna)のRLSAとは、衛星通信用に開発されたアンテナを半導体製造向けに応用したものを指す。Tactras RLSAは、プラズマを生成する機構にRLSAを利用していて、これにより安定性と均一性が高いプラズマを生成できるようになったという。プラズマはエッチング材料を作り出すために必要なので、プラズマの質が高いと、それだけ精度よくエッチングできる材料が作り出せるとしている。東京エレクトロンによると、「エッチングチャンバーにRLSAを用いているのは当社だけ」だという。同社は、「3次元ICのニーズに応えるために、さらに微細な加工ができるように開発を続けていく」と述べている。
日立ハイテクノロジーズは、3次元ICなどの解析向けにFIB-SEM(集束イオンビーム/走査型電子顕微鏡)「MI4000L」などを紹介した。3次元構造の垂直断面を視野ズレなく観察できて、サンプルと検出器の位置関係を調整すれば、FIB加工時でもリアルタイムに3次元画像を取得できることが特徴だ。同社によれば、「3次元ICが登場してから、単にSEMの画像を観察するだけでなく、結果を3次元化して観察したいという要望が増えた」という。
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