NTTと東レが2014年1月31日に発表した、着るだけで心拍数や心電波形などの生体情報を連続的に計測できる素材「hitoe」も展示された。hitoeは、簡単に言えば「電気を通す布」だ。ナノファイバー生地に導電性ポリマーをコーティングし、生体信号を検出できるようにしている。同素材を利用したウェアラブル製品を年内にNTTドコモが発売する予定だ。
NTTは、リストバンド型のレーザー血流計も展示した。レーザー光を皮膚の表面に照射し、その散乱光を検出し、信号を解析することで血流量/速度を測定するもの。レーザー血流計自体は目新しくないが、リストバンド型にできるほど小型化したものは、これまでになかったという。リストバンド型のレーザー血流計は、手首に取り付ける「メインユニット」と、指先に取り付ける「センサーヘッド」で構成されている。メインユニットには、信号解析機能と無線通信用ICが搭載されていて、測定結果はBluetooth Low Energyでスマートフォンに送信することができる。
NTTが、東北大学、富士通、NTTコミュニケーションズと共同で開発したのが「ICT(Information and Communication Technology)カー」だ。小型のIP-PBX*)、バッテリ、サーバ、ストレージ、Wi-Fiアクセスポイントなど、ICT環境の構築に必要な装置をコンパクトに収容した自動車(バン)である。
*)IP-PBX(Intenet Protocol Private Branch eXchange):IP電話端末の回線交換を行う装置/ソフトウェア。
大規模な災害が発生した際、ICTカーを被災地に搬送すれば、半径500mほどのエリアで、Wi-Fiを接続できる環境を即座に作ることができる。具体的には、スマートフォンをWi-Fiに接続し、専用のアプリをダウンロードしてユーザー登録を行う。すると、そのWi-Fiエリア内にいる相手と、通信キャリアに関係なくいつもの電話番号で通話できるようになる。さらに、光回線や衛星回線を介してICTカーを広域網に接続することで、被災地以外にいる相手との通話も可能になるという。
2014年2月には、高知県南国市と、同県幡多郡黒潮町において、ICTカーの実証実験を予定している。
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