情報通信研究機構などは、研究開発用のテストベッドネットワーク「JGN-X」上で、さっぽろ雪まつりで収録された8K(7680×4320画素)非圧縮映像の長距離伝送(東京〜大阪間)に成功した。同社は「100Gビット/秒のネットワークを利用した8K非圧縮映像の長距離伝送は世界で初めて」と主張する。
情報通信研究機構(以下、NICT)などは2014年2月5日、研究開発用のテストベッドネットワーク「JGN-X」上で、さっぽろ雪まつりで収録された8K(7680×4320画素)非圧縮映像の長距離伝送(東京〜大阪間)に成功したと発表した。同社は「100Gビット/秒のネットワークを利用した8K非圧縮映像の長距離伝送は世界で初めて」と主張する。2月7日には、録画映像に加え、8Kカメラで撮影したライブ映像の非圧縮伝送実験も行う予定で、大阪会場(グランフロント大阪)は実証実験の模様が一般に公開される。
JGN-Xは、NICTが2011年4月より運用している次世代ネットワーク技術を実現していくためのテストベッド環境である。今回は、NTTコミュニケーションより提供された100Gビット/秒の専用回線と100G対応JGN-X機器を用い、8K映像および4K(3840×2160画素)映像の非圧縮データを、同時並列でIP伝送(8K:24Gビット/秒+4K:12Gビット/秒)する実証実験を東京〜大阪間で行った。
また、JGN-XのSDN(Software Defined Network)テストベッド「RISE3.0」のOpenFlowネットワークを活用し、札幌〜沖縄区間において、「さっぽろ雪まつり」などで収録した映像を国内の複数拠点に、しかもHDや4K、8Kなど異なる精細度で伝送する「マルチパス伝送」実験を、神奈川工科大学などと共同で実施した。さらに、100Gビット/秒の回線上における仮想ネットワークの状態を、NTO(Net Tool Optimizer)などを利用して、精度よくモニター/解析する技術の検証も行った。
なお、今回実施した8K非圧縮映像の長距離伝送実験では、PFU製の4K非圧縮映像伝送装置「QG70」、NTT-IT製の4K非圧縮映像サーバ「SHS-XMS」、アストロデザイン製の8K@60pカメラ「AH-4800」および8Kレコーダ「HR-7512」などを複数台用いた。表示装置は東京会場に神奈川工科大学が4K液晶パネルを4枚組み合わせて作成した8Kディスプレイを、大阪会場にはシャープ製の85型8Kディスプレイをそれぞれ設置し、非圧縮で高速伝送された8K映像を表示した。
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