DICは、熱伝導接着シートの開発品を展示した。シート状で供給されるため、従来のシリコーン系熱伝導材料に比べて作業性に優れているという。ICチップやパワー半導体、半導体モジュールなどにおける放熱対策の用途に向ける。
DICは、薄型ディスプレイ関連の総合展示会「ファインテックジャパン」(2014年4月16〜18日、東京ビッグサイト)において、熱伝導接着シートの開発品を展示した。シート状で供給されるため、従来のシリコーン系熱伝導材料に比べて作業性に優れているという。ICチップやパワー半導体、半導体モジュールなどにおける放熱対策の用途に向ける。
今回、開発品として展示したのは熱伝導率が3W/m・kの「DAITAC Exp.TC-ES」、同じく5W/m・kの「DAITAC Exp.TC-100LT」および10W/m・kの「TIM14V1」の3製品。DAITAC Exp.TC-ESは、熱伝導柔軟シートの上下を剥離ライナーで挟んだ構造となっている。ICチップなどの発熱部品とヒートシンクの間に挿入することで、そのギャップを密着させることができる。テープの厚み(暫定)は0.1/0.2mmである。体積固体抵抗値は1012Ω・cm以上。
DAITAC Exp.TC-100LTは、熱硬化により発熱部品とヒートシンクの接着固定を行う。TIM14V1は、SiC(シリコンカーバイド)ベースのパワー半導体に向けた接着剤/シートで、高い熱伝導性と耐熱性を併せ持つ。
製品化の計画については、「DAITAC Exp.TC-ES」は早ければ2014年中にも発売する予定である。熱伝導率が3W/m・k以上の製品も開発を進めている。DAITAC Exp.TC-100LTとTIM14V1については今のところ未定とする。
「これまでは、シリコーンオイルコンパウンドなどグリース状の製品が熱伝導の材料として一般的に用いられてきた。開発品はアクリル系をベースとしたシート状の製品となっているため、グリース状の製品に比べて作業性に優れている」(説明員)と、その優位性を話した。
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