Googleは、スマートフォンやAndroid Wear搭載端末で操作するゲームやAndroid TVなどに向けたAndroid拡張パックにおいて、NVIDIAのモバイル向けプロセッサ「Tegra K1」を採用することを明らかにした。Googleの担当者によると、2015年までには、ソニーの高画質4Kテレビ全機種と、フィリップスのテレビ15機種が、Android TVをサポートする予定だという。
Tegraは、応答メッセージや音楽再生、ナビゲーションなどに向けた音声認識ベースのシステム「Android Auto」にも搭載される予定だ。Androidエンジニアリングディレクタを務めるPatrick Brady氏は、「40社を超える新たなパートナー企業との提携により、Android Auto Allianceを設立した。2014年中には、最初のAndroid Auto対応自動車を発表できる予定だ」と述べている(関連記事:車載Android推進団体OAAの参加規模が6倍に、2014年末に「Android Auto」も登場)。
Android Lのリリースは2014年秋の予定だが、Android Wear搭載機器については既に販売が開始されている。例えば、LG Electronicsのスマートウオッチ「LG G Watch」や、Samsung Electronicsの「Gear Live」などが挙げられる。Samsungは以前、別のスマートウオッチでLinuxベースのモバイルOS「Tizen」とリアルタイムOSを採用すると発表していた。また、Motorola Mobilityの丸型文字盤のスマートウオッチ「Moto 360」も、Android Wearを搭載する。Moto 360は、2014年夏にも販売される予定だ。
Android Wearは、音声で起動し、スマートフォンと同期化することによって情報の受信や制御を実行する。例えばユーザーがスマートウオッチに表示されたメッセージを読んでスワイプすると、スマートフォン上でも同じ動作が行われる。方向の指示や、タイマーのセット、音楽の再生などを行うことも可能だ。
Android Wearは今後数カ月以内に、Google Glassにも搭載される予定だという。Android Wearは、Google Glass上ではコード数がいくつか増えるものの、スマートウオッチの場合と同様に動作する。Staff Developer AdvocateであるTimothy Jordsan氏によると、「Android Wearは、ウェアラブル端末市場に参入する障壁を下げることになる」と述べている。
Androidエンジニアリングディレクタを務めるDavid Singleton氏は、基調講演において、「スマートウオッチは、常時身に着けられる端末として、ユーザーの質問に対して常に最適な回答を提示することにより、モバイル世界における重要な鍵として機能していくだろう」と述べている。
Googleは、新興国向けの新しいスマートフォンプロジェクト「Android One」についても簡単に触れた。Android Oneは、機器メーカー向けのハードウェアリファレンスプラットフォームである。2015年、Googleはインドの機器メーカー3社とスマートフォンを開発する予定だ。このスマートフォンは4.5インチディスプレイで、デュアルSIMカード、SDカード、FMラジオを備え、価格は100米ドル以下になるという。Googleは仕様についてはこれ以上の詳細は明かさなかった。
Pichai氏は、「われわれの目標は、スマートフォンのユーザーがほとんどいない新興国の人々を含め、“次の50億人”の人をつなげることだ」と語っている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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