米国の市場調査会社であるEnvisioneering Groupで主席アナリストを務めるRichard Doherty氏は、EE Timesに対して、「2015年第1四半期に対するCook氏の熱意と自信は、エレクトロニクス業界全体にプラスに作用する」との見解を示した。同氏は、「Cook氏の強気な読みは、Appleが擁する優れたサプライチェーンと情報に裏付けられている」と述べている。
iPhoneは、米国のスマートフォン市場ではシェア69%を占め、中南米や中東で前年に比べて約50%の成長を見せている。中国では、iPhoneの販売が遅れたり、通信キャリアによる助成金が削減されたりしたにもかかわらず、販売台数は32%増加している。iPhone 6/iPhone 6 Plusは、中国の通信キャリア3社の全てから発売される。
Cook氏は、「中国では、他の国ではこれまでに見られないほど中流階層が拡大し、市場が巨大化している。中国のiPhone購入者の約半数は、iPhoneを初めて手にするユーザーだった」と述べている。
Appleは、Macに関しても、2014年第4半期に過去最高の売上高を達成している。前年比18%増と1995年以降最も高い成長率を記録した。一方、「iPad」の売上高は13%落ち込み、1230万台だった。ただし、日本は例外で、46%増加している。
Doherty氏によると、「AppleはiPadの販売マージンを上げ続けているし、新機種への買い替えサイクルが長くなっていることも把握している」という。Appleは、「iPadの売上高上位6カ国では、初めてタブレット端末を購入するユーザーの50%以上がiPadを選んでいる」と発表している。
こうした状況を受け、Cook氏は「iPadの未来は明るい。iPadは時間をかけてユーザーを増やしていく」と強調している。
Appleは、2015年に新たな製品カテゴリを追加する方針を明らかにしている。同カテゴリには、ヘッドセットの「Beats」や「Apple TV」、「iPod」などのアクセサリが含まれるという。Apple Watchは2015年第1四半期には投入されない見込みだが、発売されればこのセグメントに入るという。
Doherty氏は、「Apple Watchは詳細が発表されていないが、特に問題があるとは考えられない。だがAppleは、既存製品の次世代バージョンに対しては楽観視しているにもかかわらず、Apple Watchに対しては慎重な姿勢を示している」と述べている。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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