2014年の特許ランキングでは、AppleやGoogle、Qualcommといったモバイル機器関連の技術を手掛ける企業が大きく順位を上げた。Qualcommは2013年の62%増からは減少したものの前年比23%増となる2590件の特許を取得し、7位にランクインした。モバイル関連の特許係争は落ち着きつつあり、特許取得件数も増えている。
ただし、2015年以降もスマートフォンの特許に関するさまざまな訴訟が行われる予定だ。そのほとんどは、かつては携帯電話機を製造していたが現在は撤退したEricssonやNokiaなどの企業が提訴したものである。
特許の専門家であるFlorian Mueller氏は「特許訴訟自体が大失敗に終わるケースもある」と述べる。同氏は以前、モバイル機器関連の特許をめぐる争いを綿密に追っていたが、現在はアプリ開発者としての活動により多くの時間を費やしている。
同氏は、「Appleは2014年に係争中の訴訟のほとんど(Motorolaに対するあらゆる訴訟と、Samsungに対する米国以外での全ての訴訟)を取り下げ、米国でのSamsungとの特許訴訟に集中した。MicrosoftはMotorolaに対し、Microsoftのライセンスプログラムに参加するよう、4年以上にわたって促しているが、Motorolaはライセンスなしでもいまだにうまくやっている。とはいえ、スマートフォン特許に関する訴訟は2015年も続くことになるだろう。また、これから数年間は、既に携帯電話の生産から撤退した企業(EricssonやNokia)からの訴訟が増えるとみられる」との見解を示している。
2014年の顕著な変化として、AmazonとHuaweiが初めて特許取得ランキングのトップ50にランクイン(Amazonが50位、Huaweiが48位)したことが挙げられる。Amazonが2014年に取得した米国特許は745件にとどまるが、前年比の取得件数増加率は、2013年が約46%、2014年が約41%である。
TSMCは2014年に前年度比55%増となる1460件の特許を取得し、23位にランクインした。TSMCはIntel(取得件数1578件で16位)との差を縮めつつある。Intelは2014年、ファウンドリプログラムを大幅に強化した。
IFIによると、2014年、日本企業の米国特許取得数は減少し、全体の18.1%(過去5年で2.5%減少)を占めた。2011年にはトップ10に6社、トップ50には19社の日本企業がランクインし、ランキングを占拠していた。2014年のトップ10にランクインした日本企業は4社、トップ50では17社となっている。日本企業としてはジャパンディスプレイが、取得件数の前年比増加率が1525%と、大幅な伸びを見せた(取得件数のランキングではトップ50圏外)。
IFIによると、中国企業の米国特許取得数は過去5年で2倍に増加したが、2014年に付与された米国特許のうち2%しか占めていない。中国のZTEは、2014年に前年比160%増となる706件の特許を取得し、133位から51位に浮上した。Shenzhen China Star Optoelectronicsの増加率は331%に達し、ジャパンディスプレイに次ぐ伸び率となった。
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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