Qualcommは、モバイル関連特許のポートフォリオを強化する策として、Hewlett-Packard(HP)が保有する大量のモバイル関連特許を買収したと発表した。
Qualcommは2014年1月、モバイル関連特許のポートフォリオを強化する策として、Hewlett-Packard(HP)が保有する大量の特許を買収した。買収した特許の中には、Palm、iPAQ、Bitfoneなどオペレーティング・システム(OS)技術の特許も含まれるという。
買収額など詳細は明らかにされていない。Qualcommによると、買収したのは米国の特許1400件と米国外の特許1000件で、いずれも申請中のものを含んでいるという。
Qualcommの技術ライセンシング(QTL:Qualcomm Technology Licensing)事業は堅調だ。ライセンス料が発生するCDMA技術の特許を既に250以上も有している他、WCDMA/TD-SCDMA技術では175、シングルモードのOFDM/OFDMAでは90以上も所有する。QTL事業は2013年10月末までの事業年度でQualcomm全体の売上高のうち約30%に相当する24億9000万米ドルを計上し、純利益の主な要因となった。
とはいえ、Qualcommはベースバンド・チップセットを売ることで収益の大半を得ている。同社はスマートフォン向けチップセットメーカー大手として、AppleにiPhone向けチップを供給してきた他、Samsung ElectronicsやNokiaにはAndroid機器向けに評判の高いプロセッサ・プラットフォーム「Snapdragon」を提供してきた。
株式市場の情報サイトSeeking Alphaに掲載された、2013年11月のニューヨークでのアナリストイベントにおけるQualcommの元CEO(最高経営責任者)であるPaul Jacobs氏のコメントによると、同氏はQualcommのチップセットおよびQTL事業を活発化する主な分野としてスマートフォンを挙げた。Jacob氏は、Qualcommが2012年から2017年にかけてスマートフォン市場が年平均成長率20%で成長すると見込んでいると述べた。
さらに、最近QualcommのCEOに任命されたSteve Mollenkopf氏は、同社が主要なスマートフォンメーカーと良好な関係を構築する一方、Qualcommの技術は複数のOSに普及していると述べた。同氏のコメントによると、そうしたOSは「Qualcommが前進させたい重要な要素」であるという。Mollenkopf氏は2013年12月に最高執行責任者(COO)からCEOに昇進した。
経営不振が続くHPは、タブレット「TouchPad」など、2010年にPalmを買収した際に得たOS「webOS」を搭載した製品があまり成功しなかった。その結果、同社は12億米ドルを投じた買収から1年もたたないうちに、webOSベースの製品の生産を打ち切っている(関連記事:HPがPC事業のスピンアウトを検討、「webOS」事業は打ち切りへ)。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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