160lm超の高光束を実現したGaN on Si技術による白色LEDを量産 : LED/発光デバイス
東芝は2015年2月3日、シリコン(Si)ウエハー上に窒化ガリウム(GaN)を結晶成長させる「GaN on Si技術」を用いて、160lm(ルーメン)を超える光束を実現した3.5mm角レンズパッケージの照明用白色LED「TL1L4シリーズ」の量産を開始した。
東芝は2015年2月3日、シリコン(Si)ウエハー上に窒化ガリウム(GaN)を結晶成長させる「GaN on Si技術」を用いて、160lm(ルーメン)を超える光束を実現した3.5mm角レンズパッケージの照明用白色LED「TL1L4シリーズ」の量産を開始した。東芝では、「業界トップクラスの高い光束を実現した」としている。
量産を開始した白色LEDは、常温動作時に160〜170lmの高光束を実現。常温で160lm/Wの発光効率を達成すると共に、周囲温度85℃での動作電流を1Aまで可能とした。「従来製品『TL1L3シリーズ』と比較して、同85℃で60%以上の光束値の改善を実現している」(東芝)。
高効率パワー白色LED「TL1L4シリーズ」
電気的/光学的特性は、実際の使用を想定した動作条件(順電流350mA、接合部温度85℃)で選別を行い、順電流絶対最大定格は1.5A(周囲温度55℃未満、接合部温度150℃以下)となっている。カラーラインアップとしては2700Kから6500Kまでの全9色をそろえ、LED電球をはじめベースライト、ダウンライト、街路灯、投光器などの用途へ展開する。
東芝 GaN on Silicon技術を米社から買収、白色LEDとGaNパワー半導体を強化へ
東芝は、米国のLED照明機器メーカーから、「GaN on Silicon技術」を含む白色LEDチップ開発関連資産の買収を発表した。白色LEDの低コスト化やGaNパワー半導体実現に欠かせないGaN on Silicon技術を手に入れ、ディスクリート半導体事業の強化を急ぐ。
LED素子の製造コストを最大1/100に――ガラス基板上での作成に成功
東京大学生産技術研究所の藤岡研究室(藤岡洋教授)は、スパッタリング法を用い安価なガラス基板上に窒化物半導体のLED素子を作成する技術を開発した。有機金属気相成長法(MOCVD)とサファイア基板を用いて製造した従来のLED素子に比べて、製造コストを最大1/100にできる可能性があるという。
“真の白色LED”が近く登場か――米大学がポリマー半導体の発光色調整技術を発表
米University of Utah(ユタ大学)の研究チームは、ポリマー半導体の発光色を調整する方法を発見した。同研究チームは、本物の白色光を発する有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)の実現を目指している。
「SiC」と「GaN」、勝ち残る企業はどこか?(前編)
品質やコストと並んで、設計開発者が関心を持たなければならないのが、「特許」だ。製品設計の前段階から、自らの新たな視点に基づく特許出願を心掛けることが重要だが、まずは技術者が自ら特許について調べるためのヒントが必要だろう。本連載では、特定分野を毎回選び出し、その分野に関する特許の企業別、国別の状況を解説しながら、特許を活用する手法を紹介する。
LEDを一新した「GaN」、次は電力を変える
SiC(炭化ケイ素)と並んで次世代パワー半導体の旗手として脚光を浴びる「GaN」(窒化ガリウム)。しかし、実用化が進むSiCと比べて、GaNの開発は遅れているように見える。GaNを採用すると、SiCと同様に電力変換時の損失を低減できる。さらに、SiやSiCよりも高速なスイッチングが可能だ。これは電源の小型化に大いに役立つ。しかし、ノーマリーオフ動作が難しいという欠点もある。こちらは電源には向かない特性だ。GaNの長所を伸ばし、欠点をつぶす、このような開発が進んでいる。
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