ブルームバーグ・インテリジェンス シニアアナリストを務めるジテンドラ・ワラル氏が、今後のスマートフォン・タブレット端末およびウェアラブル機器の市場動向について語った。ウェアラブル機器については「Apple Watch」の発売が今後の市場動向を大きく左右するという。
Bloomberg Intelligence(ブルームバーグ・インテリジェンス)は2015年2月3日、東京都内で同社のアナリストが今後の各産業の注目トピックスを紹介する「ブルームバーグ・インテリジェンス 2015年産業展望セミナー」を開催した。テクノロジー分野に関して、ブルームバーグ・インテリジェンス テクノロジー担当 シニアアナリストを務めるジテンドラ・ワラル氏が、今後のスマートフォン・タブレット端末およびウェアラブルデバイスの市場動向について語った。
ワラル氏は2015年の世界市場におけるIT投資が増加する一方で、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器への投資額は減少すると予測した。同氏はその要因の1つとして、Huawei(ファーウェイ、華為技術)、Lenovo(レノボ、聯想)、Xiaomi(シャオミ、小米科技)といった中国メーカーの低価格なスマートフォンがシェアを伸ばしていることにより、市場におけるスマートフォンの単価が下がっている点を挙げた(関連記事:スマートフォン市場を席巻する“Android”と“中国勢”)。
また、ワラル氏は今後数年の世界市場におけるタブレット端末の出荷台数については、ほぼ横ばいになると予測。そして、「現在、タブレット端末はアイデンティティーの危機にある」と指摘した。その理由となるのが、端末の大きさがスマートフォンとタブレット端末の中間に位置する“ファブレット”の存在だ。ファブレットはモバイル機器市場においてシェアを拡大させており、それの影響がタブレット端末の立ち位置を不安定なものにしているという。
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