DRAMeXchangeによると、2014年第四半期におけるNAND型フラッシュメモリの世界市場は、全体として好調だったようだ。ただし、価格の下落は続いている。今後、Samsung Electronics(サムスン電子)は3次元NANDフラッシュ、東芝は15nmプロセスへの移行を加速させると見られている。
台湾の市場調査会社Trendforceの調査部門であるDRAMeXchangeによると、2014年第4四半期におけるNAND型フラッシュメモリの世界売上高は87億5000万米ドルと、前四半期に比べて2%増加した。
売上高をメーカー別にみると、トップはSamsung Electronicsで24億4050万米ドル、2位は東芝で19億1490万米ドル、3位のSanDiskは15億8960万米ドルだった。Samsungのシェアは27.9%で、2014年第3四半期の29.7%に比べてシェアをわずかながら落としている。Samsungだけでなく、東芝とSanDiskもシェアが低下した。
ただ、SamsungのNANDフラッシュの出荷数自体は、前四半期比で5%増加している。それにもかかわらず売上高が減少したのは、平均販売価格が10%近く減少したからだと、DRAMeXchangeは分析している。結果として売上高は前四半期比で4.2%減少した。2015年におけるSamsungの出荷数増加率は1桁台の成長とみられているが、ビット換算では、業界の平均成長率である35〜40%を超える見込みだ。SSDの売上高の増加と、3次元NANDフラッシュへの移行が、主な要因である。
東芝に関しては、売上高はほぼ横ばいだったが、平均販売価格は前四半期比で7%下落した。これは、為替の影響の他、A19nmプロセスと15nmプロセスを適用したNANDフラッシュの歩留まりの向上にも起因するという。DRAMeXchangeは、「東芝は15nmプロセスへの移行を進め、2015年夏ごろには、量産品の半分が15nmプロセス品になるのではないか」と予想している。東芝は2015年2月5日に、NANDフラッシュにも応用可能な15nm以降のプロセス実現を目指したナノインプリントリソグラフィ(NIL)技術を、SKハイニックスと共同開発すると発表したばかりである(関連記事:東芝とSKハイニックスがナノインプリントを共同開発、15nmプロセス以降に適用)。
DRAMeXchangeのアシスタントバイスプレジデントであるSean Yang氏によれば、2015年第1四半期は、需要の季節的変化により過剰供給が発生する見込みだという。同氏は、価格の下落がより顕著になる中、NANDフラッシュメーカーは、最新技術への移行を加速してコスト構造を立て直し、価格低下の影響を最小限に抑えるべきだと指摘している。
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