Samsungは仕様に関してはほとんど公表していないが、Forbes誌は「Galaxy S6とGalaxy S6 edgeは、1.5GHzのプロセッサ4個と2.1GHzのプロセッサ4個から成るオクタコアの『Exynos 7』を搭載する」と報じている。Exynos 7は、「Galaxy Note 4」に搭載されているチップに比べてエネルギー効率が35%、処理速度が20%向上したという。
Samsungはこれまで、アジア圏外に出荷するスマートフォンにはExynosを搭載しなかった。だがExynosは今、Qualcommのようなライバルのファブレス企業にSamsungの優位を示す材料となっている。Doherty氏は、「Qualcommは既に、中国での特許使用料の引き下げ交渉によるダメージを受けている。Samsungは、自社のスマートフォンに自社製の高性能チップを搭載する一方で、ライバル企業にはグレードの低いチップしか供給していない。このままではQualcommはさらに水をあけられる可能性が高い」と指摘している(関連記事:中国がQualcommに独禁法違反判決、特許使用料はどうなる?)。
Samsungは2014年、中国のスマートフォン市場でAppleや中国のOEMメーカーであるXiaomiなどにシェアを奪われたが、新モデルの投入によってシェアの回復が期待される。
とはいえ、米国の市場調査会社であるCreative Strategiesのプレジデントを務めるTim Bajarin氏は、「iPhone 6およびiPhone 6 Plusの勢いを止めるのは非常に難しいだろう。iPhoneユーザーのスマートフォン買い替えサイクルは、(iPhone発表のタイミングと同じ)1年〜1年半で固定している傾向があるからだ」と指摘する。
皮肉なことに、Appleは、次のiPhoneにSamsungの14nmプロセスのアプリケーションプロセッサを搭載するといわれている。さらに、Samsungは、Qualcommのような大手ファブレスメーカーのチップも製造しようとアピールしている。14nmプロセスにおいて、Samsungはわずかながら他のライバル企業の先を行っているようだ。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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