IBMは、「Si/III-V族化合物半導体を使ったハイブリッドなトランジスタを製造するために必要となる、複雑な構造を初めて形成した」としている。具体的には、ナノワイヤの交差接合や、3次元積層のナノワイヤなどだ。IBM Researchの上席研究員で、今回の論文の首席執筆者でもあるHeinz Schmid氏は、「今回の研究成果は、小型化と低コスト化、性能の向上が求められる次世代のコンピュータチップを製造する上で、重要なステップになる」と強調した。
論文によれば、TASEで形成したInAsナノワイヤの交差接合点でホール効果を測定したところ、電子移動度は5400cm2/Vsを実現したという。同時に形成したInAs MuG-FET(幅55nm、厚さ23nm、チャネル長390nm)は、660μA/μmのオン電流と、最大で1.0mS/μm(VDSが0.5V時)のトランスコンダクタンスを示したという。
Schmid氏は論文で、「TASEは、SiとIII-V化合物半導体の統合に向けて強固な土台を築いた」と主張している。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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