Page氏は、Googleの株主たちに対し、同氏がこの冒険的な取り組みを自由に進めることができるよう懇願している。同氏はGoogle+への投稿で、「今回の投資は比較的規模が小さく、Googleの主力事業とはかけ離れた内容であるが、価値ある目的だと考えている」と主張している。
Googleは過去の経験から、許可を求めるよりも許しを請う方が得策であると考えているようだ。そうでなければ、Google BooksやGoogle Maps、Google News、YouTubeなどが実現することはなかっただろう。
しかし、今や巨大企業となったGoogleは、独占禁止法やプライバシーをめぐる論争にも巻き込まれている。このため、成長途中の段階にあったころよりも、注意深く進んでいかなければならない。例えば同社が、責任ある企業市民としての取り組みの一環で、自社の従業員向けに通勤バスを提供するとなれば、非難の的となる可能性もある。
Sidewalk Labsは、ニューヨーク市に拠点を置く。同社は、Googleの分極化したブランドを背負うことなく、スマートシティ開発を実現するための手法をGoogleに提案していくという。
Sidewalk Labsは、自社のWebサイト上で、「当社は技術製品やプラットフォーム、インフラストラクチャの開発を手掛けることにより、世界各国の都市市民の生活を向上させていきたい」と述べている。
Googleは、Sidewalk LabsのCEOとしてDan Doctoroff氏を招き入れ、スマートシティ技術の需要をけん引するための方法を見いだしていきたい考えだ。Doctoroff氏は、Bloombergの元CEOであり、ニューヨーク市の経済発展および再開発担当副市長などを務めた経歴を持つ。同氏が培ってきた経験や政治的な人脈によって、都市サービスやリソースをオンライン化していく上で不可欠な経済的投資や技術的な結びつきを促進していくことが可能になるだろう。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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