OKIは、次世代テレワークシステムのコンセプト「超臨場感テレワークシステム」を用いた実験オフィスを構築した。実験オフィスにおいて、実際の業務を対象としたテレワーク実証実験を行う。この成果は地方での雇用創出や介護離職対策などに向け、多彩なワークスタイルを実現する手段の1つとして提案していく。
OKIは2015年7月、次世代テレワークシステムのコンセプト「超臨場感テレワークシステム」を用いた実験オフィスを構築した。実験オフィスにおいて、実際の業務を対象としたテレワーク実証実験を行い、その効果を定量的、定性的に検証していく。これらの成果は地方での雇用創出や介護離職対策などに向け、多彩なワークスタイルを実現する手段の1つとして提案していく。
超臨場感テレワークシステムとは、OKIが考える次世代テレワークシステムのコンセプトである。遠隔地にいても同じオフィスにいるような臨場感に加え、オフィスの雰囲気や同僚の気持ちなども感じ取れるような環境づくりを提唱する。
今回の実験では、センターオフィスを埼玉県に、サテライトオフィスを京都にある情報通信研究機構(NICT)けいはんな情報通信オープンラボ内にそれぞれ設置。さらに、在宅勤務をするホームオフィスなどの拠点と通信回線で結び、テレワーク実験オフィスを構築する。
実験オフィスには、大きく3つの技術を採用している。その1つが「位置連動型メディア制御技術」である。位置が特定できる複数のカメラやマイク、センサー情報を連携動作させることで、遠隔オフィス空間の注目したいエリアの状況を把握することができる。
2つ目は、「エリア収音・エリア音再生技術」。周囲に別の音源があっても、マイクアレイを用いることで特定エリア内の会話だけをピンポイントに収音し、伝送及び再現することができる技術だ。
3つ目は、「双方向インターフェース技術」である。複数の俯瞰(ふかん)映像から、必要な特定エリアの映像に容易に切り替えられる。先方にも、遠隔地の特定エリアに注目していることを周知することができる、双方向性を高めたインタフェース技術となっている。
これらの技術を用いることで、コミュニケーション端末に表示された複数のオフィス映像から事務所内の雰囲気を感じることができる。遠隔オフィスの俯瞰映像の中から注目エリアをクリックすると、さらに詳しい状況を確認することが可能となる。逆に、注目されたエリア側からも、遠隔地が注目していることを確認することができる。俯瞰映像内に映っている人物をクリックすれば、その人物と会話を始めることも可能だ。
OKIは、今回の実験オフィスで得られた要求などを追加で盛り込むなど、2016年度の商品化に向けて、システムの改善を行っていく予定である。なお、見学希望者に対しては、京都のサテライトオフィスを公開していく。公開期間は2015年7月21日〜12月20日まで。
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