東芝は、ARM Cortex-Mコアを搭載したマイコンの新ファミリ「TXZファミリ」を開発中だ。現行の「TXファミリ」を発展させた製品で、低消費電力と高速動作を両立した製品ファミリと位置付ける。
東芝は2015年7月、ARM Cortex-Mコアを搭載したマイコンの新ファミリ「TXZファミリ」を開発していると発表した。現行の「TXファミリ」を発展させた製品で、低消費電力と高速動作を両立した製品ファミリと位置付ける。2016年第2四半期より順次サンプル出荷を始める予定だ。
開発中のTXZファミリは、アプリケーションプロセッサApP Liteファミリ「TZシリーズ」で実現している低消費電力技術と、これまで多くの採用実績を持つ「TXファミリ」の優れた機能や性能を併せ持つ製品となる。新たに開発した低消費電力の65nmフラッシュ混載ロジックプロセスを用いて製造する。これにより、従来マイコン製品に比べて動作消費電力を約60%削減することが可能になるという。
TXZファミリの第1弾として開発する製品群は、ARM Cortex-M3コアを搭載した「TXZ3シリーズ」である。搭載するフラッシュメモリ容量は128kバイト以下で、パッケージは100端子以下となる。動作中の消費電流を100μA/MHz以下に抑える。まずは、標準的な周辺回路を内蔵した「TMPM3H」グループとして30製品を開発する予定だ。
引き続き、TXZファミリの第2弾としてCortex-M4Fコアを搭載した高速/高性能製品、第3弾では同様にCortex-M4Fコアを搭載し、消費電力が極めて小さい製品群をラインアップしていく計画だ。
TXZファミリとは別に、不揮発性メモリを搭載したマイコン製品も開発を行っている。130nmロジックプロセスでシングルポリMTP(Multi-Time Programmable)セルを採用する。アナログ回路と親和性の高い不揮発性メモリを搭載した最初のマイコンは、モータ制御に適した製品となる予定で、2015年第4四半期から順次サンプル出荷を始める。電源制御などの用途も視野に入れている。
東芝は、従来のARMコアマイコン「TXファミリ」を含め、マイコン製品の拡充に取り組んでいく。2017年までに180製品、2018年までにはグループ展開も含め累計300製品まで拡大していく計画である。
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