新たに合成したイオン液体分子のIL2PF6を別途分析したところ、従来の液相分散媒よりも極めて大量のグラフェン(100mg/mL)を分散させることが可能であることが分かった。実験で得られたグラフェンをもう一度IL2PF6に混合すると、容易に再分散させることができ、ある濃度を超えるとゲル化することが、今回の研究で明らかになった。
混合するグラフェン量をさらに増やしていくと、100mg/mLの高濃度な状態まで、ゲルとしての強度を増強することに寄与することが分かった。構造欠陥のないグラフェンによる物理ゲルは、今回の研究で初めて明らかとなった。高濃度グラフェンゲルは様々な電子材料への応用が期待できるとみている。また、今回の研究でグラフェンの大量生産にめどをつけたことから、折り曲げ可能なディスプレイやウェアラブル機器などのコア材料として、実用化が注目される。
なお、今回の研究論文は雑誌「Nature Chemistry」オンライン版8月10日号に掲載された。
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