IntelとMicron Technologyが「3D XPoint(クロスポイント)メモリ」の開発を発表*)して半導体業界の注目を集めたのは、2015年7月29日のことだ。3D XPointメモリは、大容量で高速アクセスが可能な不揮発性メモリである。アクセス時間はDRAMよりは長いものの、NANDフラッシュメモリよりはずっと短い。記憶容量当たりのコストはNANDフラッシュメモリに比べると高いものの、DRAMに比べると低い。
*)関連記事:IntelとMicronの新不揮発メモリ「3D XPoint」
3D XPointメモリが注目されている大きな理由は、DRAMに近いアクセス性能と不揮発性を両立させたことにある。DRAM階層とNANDフラッシュメモリ階層(ストレージ階層)の間に、3D XPointメモリが新しいメモリ階層を形成する可能性は少なくない。
ただし、新しいメモリ階層を形成するためには、さまざまなサポートを必要とする。新しいメモリバス、OSによるサポート、アプリケーションによるサポートなどである。
3D XPointメモリは今後、普及するのだろうか。そこには「鶏が先か、卵が先か」の問題が存在する。「価格が先か、大量販売が先か」である。3D XPointメモリの価格(記憶容量当たりの単価)がDRAMよりも低くなれば、3D XPointメモリは大量に販売されるようになる。あるいは、3D XPointメモリが大量に販売されれば、3D XPointメモリの価格はDRAMよりも低くなる。先行きはまだ、分からない。
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