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» 2015年11月30日 11時30分 公開

万年ダイエッターにささげる、“停滞期の正体”世界を「数字」で回してみよう(22) ダイエット(4/10 ページ)

[江端智一,EE Times Japan]

運動は、減量に効果なし!?

 平成横浜病院でのインタビューの話に戻ります。

江端:「食事による摂取カロリーに対して、個別の運動(歩く、走る、階段を上る)の消費カロリーは、恐ろしく小さいようです。これでは『ダイエット(体重を減らす)には、運動の効果はない』という結論になってしまうのですが……」

 これは本当の話です。実際に電卓をたたいて調べた時、私はかなりのショックを受けました。

 寝た切りの状態ダでダラダラしているだけでも、毎日10時間弱ぶっつづけで歩き続けるのと同量のエネルギーが消費されてることもショックだったのですが(何もしなくても、生きているだけで膨大なエネルギーが必要)、毎日のジョギング(30分)は、たった1個のコロッケで「なかったこと」にされてしまうことは、もっとショックでした。

グラフ

 ――うん。 私なら、2個のコロッケを1個にして、朝のジョギングをやめるな


アイコン 2個のコロッケを1個にして、朝のジョギングをやめるな……

 早朝ジョギングなどして、お腹を減らして帰って、2個のコロッケを3個にしてしまったら、本当のバカです。

 先生たちは、うなずきながら私のこの「コロッケ論」に聞き入り、その後、おもむろに語り始めました。

 「江端さん。これは、本当に、真剣に、心から、読者の方に強く訴えかけて頂きたいのですが」、と前置きされた後、言いました。

 「減量の効果は、『運動だけ』では全く期待できません」

 (言い切ったぁーーーーーー)と、私の心の中の驚きの声を知ってか知らでか、先生は続けられました。

先生:「ご存じでしょうが、『ダイエット』とは減量のことだけではありません(「人類は、“ダイエットに失敗する”ようにできている」参照)。ダイエットの本来の意味は、『食事療法』です。適正な身体のパラメータ(血圧・血中脂質・血糖値・肝機能障害・尿酸値など)を戻すことも含めて、本来の『ダイエット』の範ちゅうです」

 ―― 例えば、体重を減らすだけであれば、食事を止めて、お菓子だけ食べていても達成は可能ですけど、これは、ダイエットじゃないですよね ―― と、笑いつつ、

先生:「しかし、運動は、身体の健康を示すパラメータの改善に大きく貢献するのです。これが『運動が(前述の定義に基づく)ダイエットに良い』という本来の意味です。江端さんが計算された通り、『運動』は減量に有効な手段とは言えません

江端:「ということは、やっぱり……」

先生:「そうです。減量に最もダイレクトに効いてくるのは摂取カロリーを制限すること。つまり『食事の量を減らすこと』と、そして、『その減らした食事の量を、ずっと維持し続けること』です」

 そして、この話は、冒頭の「ライザップ」の話につながっていくのです。

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