こんにちは。江端智一です。
今回は、実際の私と家族の体を張ったダイエットの経緯、その結果(体重の推移)と、平成横浜病院の管理栄養士の先生へのインタビューの話を交えながら、「ダイエットの定式化、数値化」を試みてみたいと思います。
まずは、管理栄養士の先生の勧めで『ダイエットプログラム』を始めた日と、家族全員(長女は不参加)で始めた日から数えた約100日間の体重の推移を示します*)。
*)正確には83日分ですが、実はこの2週間前から減量を開始していましたので、ここでは「100日ダイエット」といいます。
このグラフからは、「江端智一が、『順調に』1日平均99gの減量を続けている」としか読めないでしょう。それは、このデータを「あとから」または「高い位置から」見ているからです。
実際のところ、ダイエットはそんな簡単なものではありませんでした。はっきり言って、ダイエットは「心理戦」そのものだったのです。
ダイエットで最もこたえるのは、体重が「減らない」ということ以上に、体重が「増える」ことです。つらい食事制限をしているにもかかわらず体重が増えていく現象は、もはや「停滞期」ではなく、「増量期」と呼んでもいいでしょう。
この現象は、ダイエットを実施している人の心を壊します。
ダイエット中に2週間も連続して体重が減らず、下手すると増える ―― これで、ヤケにならない人がいたら、その人は最初から心が壊れているに違いありません。
今回のダイエットデータを見直してみると、どの期間を見ても「停滞期」あるいは「増量期」が登場します。というか、全期間のどこもかしこも「停滞期」で「増量期」だらけです。
私の場合、『食べなければ体重が減る』が、順調かつ期待通り行われたのは、ダイエット開始時の最初のたったの10日間だけでした。その後は、理不尽で暴力的な体重変動が、私の心を蝕みました。
グラフからは、「100日ダイエット」の期間中、5回もこの攻撃を受けているのが分かります。しかも、明らかに、その攻撃がどんどん乱暴に激しくなってきているのも見て取れます。ダイエットは、それが進む程に、その「理不尽な暴力」が大きくなっていくのです(次回に詳解しますが、これは数理的に説明可能です)。
壊れそうになる私の心を支えたのは、「エネルギー保存法則」でした。この法則は、現時点で例外が見つかっていません。(トンデモ宇宙論などならともかく)ダイエットだけが例外になる訳がありません。
そして、エネルギー保存法則が成立する以上、ダイエット(体重)だって定式化できるはずなのです。
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