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» 2015年11月30日 11時30分 公開

万年ダイエッターにささげる、“停滞期の正体”世界を「数字」で回してみよう(22) ダイエット(8/10 ページ)

[江端智一,EE Times Japan]

このままダイエットを続けると、どうなるのか

 さらに、このシミュレータでは、このダイエットのペースを続けると、最後にどのようになるかも見ることができます。私のケースで、実際に計算してみました。

グラフ

 1年後には、(体重だけなら)AKBのオーディションを受けられそうですし、3年後には死んでいるかもしれない、ということも分かりました(ちなみに今、私は66.5kg程度で体重をキープしています)。

 この結果から分かることは、私たちが「ダイエット」と考えているものは、安定した体重(エネルギー平衡状態)に至るのに必要な時間(3年程度)の、ほんのわずかな時間を使い、「ダイエットを始めてはダイエットに挫折すること」を繰り返しているだけだということです。

 これを逆方向から考えてみれば、十分な時間をかけて、きちんと食事のコントロール(食事の量を減らす)をすれば、誰でも、過激なダイエットを行うことなく、希望する体重にソフトランディングさせることができるはずです。

 あなたが今、ダイエットをやっているのであれば、あなたの体重のデータ(2週間〜1カ月程度)と性別と年齢を私に提供していただければ、私は、あなたが目標としている体重が実現される日を高い精度で言い当てる自信があります(参考)。

 もう一度、上図をご覧ください。

 私が冒頭で説明した、「ダイエットをしているのにもかかわらず、体重が減らない、または体重が増えていく」などの現象が、実際のところは、微細な揺れにすぎないことが分かると思います。

 2〜3週間くらい体重が止まって見えるのは、「停滞期」などではなく、単なる「人間の身体」というシステムの出力の微小なノイズです。にもかかわらず、多くのダイエットを実施している人は、このノイズを見て、「ああ、もう、私は痩せないんだ」と、途中で諦めてしまっているのです。

 実際には、「3年後には20kg以上の(命にかかわるような)減量を実現するダイエットが、順調に進んでいる」にもかかわらずに、です。

 もう、そろそろ、はっきり言ってしまいましょう。

 つまるところ、「あなたの体重とは、あなたの食事の量(カロリー)」のことなのです。


 では、今回の内容をまとめます。

【1】どんなダイエットであれ、必ず「停滞期」「増量期」のように見えるものが、何度でも出現することを、江端智一とその家族の体重データを使って明らかにした。

【2】しかし、その「停滞期」「増量期」なるものは、実際には存在しておらず、単なる身体というシステムの出力の微細なノイズにすぎないことを、シミュレーションで明らかにした。

【3】「摂取カロリー<基礎代謝+運動消費エネルギー」が満たされる限り、必ず減量できる。この反例は一つもない。

【4】運動消費エネルギーは、摂取エネルギーに対して驚くほど小さい。例えば、「30分のジョギングは、コロッケ1個のカロリーに勝てない」。減量したければ、どんな運動よりも、どんなダイエット法よりも、食事の量(カロリー)を減らす方が、圧倒的に早い。

【5】毎日同じカロリーの食事を摂取している限り、いずれ一定の体重で停止する。太り続けることができないように、痩せ続けることもできない。つまるところ、「あなたの体重とは、あなたの食事の量(カロリー)」のことである。


 次回は、このシミュレータを使って、「『リバウンド』という名のうそ」を明かにしたいと思います。

 また、江端智一、江端<嫁>、江端<次女>の体重変動傾向の違いの理由を明らかにして、いわゆる「ダイエット本」の内容が、ダイエット本の著者以外には効果が期待できないことを、示してみたいと思います。

 さらに、ちまたの多くのダイエット法と、「ごはんの半杯分を我慢すること」と、どちらが勝っているかも調べてみたいと思っています。

謝辞

インタビューに応じて頂いた、平成横浜病院 総合健診センターの管理栄養士の、伊藤先生、久保寺先生に、心より感謝申し上げます(なお、お二人には、今後の連載でも登場いただく予定です)。


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