それでは、次に、飛び込み自殺が、どのような態様になるのかを、コンピュータを使ったシミュレーションで検証した結果を使ってお話します。
今回、私は、江バ電を再起動させました。
江バ電が、時速50kmでホームに入ってきたところで、「飛び込み自殺者」が突然飛び込み、急ブレーキをかけるも、自殺者を無惨にも轢断していく状況を、1/100秒単位で追尾します。
また、このコラムを読んでくださっているあなたに、その苦痛を実感していただくため、以下、この「飛び込みの自殺者」を、「あなた」と表記させていただきます。
このシミュレーションの特徴は、あなたの体が轢断された後も、レールの中に残されたあなたの体(の一部)が、
(1)さらに電車の底の凶器たち(今回は車軸に限定)によって突き飛ばされ、
(2)加えて、レールの枕木や砂利に擦りつけられながら、衣服だけでなく体表面の皮膚や肉を剥れ取られながら転がされ(ドリブルされ)続ける
という状況を計算する定式化と数値化にあります(プログラムコードはこちら。シミュレーション結果はこちら)。
まず、シミュレーション結果の全体イメージを示します。
X=0.0mの場所で、あなたは「飛び込み」を行い、また、江バ電の制動(ブレーキ)が機能し始めるものとします。この場合、江バ電は、最大の制動をもってしても、X=−70mまで停止することはできませんので、あなたの身体の轢断は回避できません。
しかし―― あなたが即死できるかどうかは、別問題です。
次に、どのように、あなたの身体が轢断され、また、電車の車軸によって、あなたの体が、レールの中でドリブルされ続けることになるのかを示します。
上記の図の青色の線は、時刻t秒後における江バ電の先頭の位置を示し、赤色の線は、t秒後におけるバラバラになったあなたの体の一部の中で、最も遠方にあるもの位置を示しています。
上図では4秒後までしか示されていませんが、あなたの体は、この段階で既に6回切り刻まれ、レールの中に残されたあなたの体の一部は、平均時速40kmものスピードで、20mも枕木と砂利の上を引きずり回されています。
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