ルネサス エレクトロニクスとCodeplay Softwareは、ルネサス製の車載用SoC「R-Car」に向けたOpenCLフレームワーク「ComputeAorta」とSYCLをサポートする「CompureCpp」を共同開発した。R-Car用の画像認識やコグニティブ処理システムの開発を容易にするという。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)とCodeplay Softwareは2017年9月13日、ルネサスの車載用SoC(System on Chip)「R-Car」に向けたOpenCLフレームワーク「ComputeAorta」とSYCLをサポートする「CompureCpp」を共同開発したと発表した。Codeplay Softwareは間もなく、「R-Car H3」向けの供給を始める予定だ。「R-Car V3M」向けは2018年度より提供される予定である。
提供を始めるフレームワークは、ルネサスがADAS(先進運転支援システム)向けに開発した、画像認識やコグニティブ処理を専用に行うIP(Intellectual Property)コア「IMP-X5」のソフトウェア開発を支援する。これを活用すると、ソフトウェア開発者はR-Carに組み込まれたIMP-X5コアの詳細を理解する必要がなく、これまで約1カ月必要だったマルチスレッドプログラミングの開発期間を、数日に短縮することができるという。
ComputeAortaは、IMP-X5の処理性能を最大化するためのOpenCL向けハードウェア抽象化レイヤーである。CompureCppは、OpenCLをC++に拡張するためのフレームワークであるSYCL実装の1つ。CompureCppを用いると、ヘテロジニアス環境でのマルチスレッドプログラミングを、単一のC++ソースコードで実装することができる。
これらのツールを活用すると、標準的なC言語およびC++言語の開発環境で、画像認識ソフトウェアやオープンソースのライブラリー「TensorFlow」などを用いたディープラーニングのソフトウェアを効率よく開発することができるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.