プラズマ表面改質をした窒化ホウ素粒子および、そうでない窒化ホウ素粒子の濃度と、エラストマーコンポジットの熱伝導率について、その関係性も調べた。窒化ホウ素粒子の濃度が増加すると熱伝導率は増加することが分かった。濃度が50wt%を超えると、表面改質をした粒子を用いたコンポジットの熱伝導率は、そうでない場合よりも約10ポイント上回るなど、表面改質の有効性も示した。
開発したエラストマーコンポジットと他の材料との機械的特性および、熱伝導率も比較した。これによると、ヤング率はエラストマー、高分子、金属、セラミックスの順に高くなる。材料のヤング率が増加すると熱伝導率も高くなる。開発したエラストマーコンポジットは、既存の材料とは異なる新しい特性領域を持つ熱伝導材料であり、しなやかさと放熱性を両立していることが分かった。
研究グループは今後、無機フィラーのナノ粒子化や水中プラズマ処理プロセスの最適化などに取り組み、さらなる高熱伝導化を図る。また、開発したエラストマーコンポジットの特異な機械的特性の発現メカニズムについても解明を進める計画である。
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