IoT向けなどに、バッテリーのいらないセンサーを実現する技術として、「CLEAN-Boost」も展示した。CLEAN-Boostは、これまでは捨てられていたわずかな電力を蓄電し、有効な電力として活用する技術だ。環境発電と考え方は同じだが、CLEAN-Boostの場合、ターゲットとしている電力の量がマイクロワットオーダーと、環境発電よりも1〜2桁ほど低い。CLEAN-Boostは、クオーツ時計に使われている技術がベースになっている。クオーツ時計でも、電子部品向けに微弱な電力をいかに使いこなすかが重要になるからだ。
CEATECでは、土に存在する発電菌の発電量を示すデモが行われていた。発電菌から発生したエネルギーをモジュールに蓄電し、キャパシターの電圧が約0.3Vになったら、昇圧してデータをBluetooth Low Energyでスマートフォンに転送するというもの。
大成建設と共同開発している、配管の水漏れ検知システム「T-iAlert」もデモとして展示した。リボンのような布の先に、細長いCLEAN-Boostモジュールに付けておき、それをいくつも配管に巻き付ける。すると、配管から水が漏れ出た時にリボンに水が染み込んで微弱なエネルギーが発生し、CLEAN-Boostモジュールに蓄電され、データがスマートフォンなどに転送される。電源や配線工事が不要なので、“後付けできる”のが最大の利点だ。エイブリックは、CLEAN-Boostの実験キットを間もなく発売する予定だ。
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