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ファウンドリー投資が続く半導体業界政府の支援の差が鍵に

世界の半導体メーカーは、製造施設の拡張や稼働率の詳細を明らかにしていないが、市場予測によると、主にメモリ需要の回復によってフロントエンドの生産能力が着実に増加する見通しだという。

» 2021年05月13日 15時30分 公開
[George LeopoldEE Times]

 世界の半導体メーカーは、製造施設の拡張や稼働率の詳細を明らかにしていないが、市場予測によると、主にメモリ需要の回復によってフロントエンドの生産能力が着実に増加する見通しだという。

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 SEMIによると、アジアの半導体メーカーは、政府の手厚い優遇措置による恩恵を受けて、ファウンドリーに多額の投資を続けている。一方、Intelなど欧米の半導体メーカーは、TSMCやSamsung Electronicsをはじめ、数多くの中国の新興企業に追い付こう奮闘している。

 例えばIntelは2021年5月3日(米国時間)、200億米ドルを投じるファウンドリー拡張計画の一環として、35億米ドルを投じて米国ニューメキシコ州リオランチョの工場を拡張すると発表した。同社は、この投資で高度なICパッケージング事業、特に3D(3次元)パッケージング技術「Foveros」を拡張するとしている。

 こうした取り組みは、ICパッケージングの技術革新に焦点を当てることで半導体製造の復活を目指す、米国の新たな戦略への布石という見方もできるかもしれない。

 SEMIは現時点では、メモリ技術が製造施設の世界的な拡大を促進すると予測しており、2021年は5%、2022年は6%の成長を見込んでいる。主な成長要因は3D NAND型フラッシュメモリで、2021年は9%、2022年は11%成長すると予想している。DRAMの生産量については、2021年は7%、2022年は5%成長すると予測している。

 既報の通り、SEMIは2021年第1四半期(1〜3月)のシリコンウエハー出荷面積は、前四半期(2020年第4四半期)比で4%増となる33億3700万平方インチで、四半期としては過去最高を記録した。

 SEMIはロジックとファウンドリーが需要を後押ししたと分析していて、SEMIのEdwin Hall氏は「メモリは、いくつかの分野、特にデータセンターや自動車、モバイルデバイスで重要であるため、今後も成長が続くと予想される」と述べている。

 米国では半導体製造業の明確な復活の兆しが見られるが、Intelをはじめとする欧米企業は、中国や台湾、韓国のライバル企業に投資額で大きく差をつけられている。米国のシンクタンクである戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies)で技術・公共政策プログラムのディレクターを務めるJames Lewis氏は、「アジアの製造業は経済的に非常に有利であり、政府のインセンティブがコスト面での優位性の45〜70%を占めている」と指摘した。

 Lewis氏は、米国のチップ製造業を復活させるための法案を作成する際は、こうした現実を念頭に置く必要があると主張している。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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