イメージング&センシング・ソリューション分野(I&SS分野)の2021年度第3四半期売上高は、主にハイエンドモバイル機器向けイメージセンサーの増収により前年同期比22%増の3248億円、営業利益も同133億円増の647億円となった。
スマホ製品を取り巻く環境は、軟調な中国市場や半導体を中心とした部材不足など厳しい状況が続くが、十時氏は、「これまで進めてきたモバイルセンサーの顧客基盤拡大や多様化、数量ベースでのシェア回復に向けた取り組みが一定の成果をあげている」と説明した。
また、十時氏は、「『中国特定顧客』向けのビジネス縮小により停滞していた中国メーカーのハイエンドスマホ向けセンサーの大判化トレンドは回復基調にある」とも付け加え、「中国スマホ市場も2022年度後半には正常化することが期待される。2022年度の売上成長とさらなるシェア拡大には手応えを得ている。今後は製品の高付加価値化に一層注力し収益性の改善に努める」と述べていた。
一方、中国スマホメーカーを中心に協業を進めている高機能/高画質のカスタムセンサー導入については、「想定以上の時間を要しており、2022年度に向けての製品の高付加価値化による収益性改善のスピードは当初想定には若干及んでいない状況だ」と語った。
同分野の通期見通しは、売上高を前回予想から300億円減の1兆700億円に下方修正、営業利益見通しについては変更はなかった。
なお、ソニーセミコンダクタソリューションズは2022年1月25日、少数株主として参画するTSMCの半導体製造受託サービス子会社「Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)」への初回出資を完了したが、本件に関して十時氏は、「2024年中に予定されている量産開始に向け、当社はこのロジックウエハー新工場の立ち上げに協力して行くことでサポートしていく」と触れた。
PS5の出荷に関しては、「歴代コンソール最大の販売台数を狙える旺盛な需要がある」としつつも、半導体を中心としたデバイス供給制約や世界的な物流の混乱によるリードタイムの長期化を理由に、これまで2021年度に1480万台以上としていた販売台数見通しを「1150万台程度」に下方修正したことを明かした。
また、同社は「CES 2022」において、電気自動車(EV)事業への参入検討および子会社「ソニーモビリティ」を2022年春に設立することを発表したが、同分野については、「パートナーシップやそれに類似する形で、できるだけアセットライトでやっていく」と説明。バッテリーの開発や車両製造、販売/メンテナンスインフラの構築などは考えていないとしている。
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