Mader氏は、「大規模なレーザー集積を可能にする重要なコンポーネントの1つが、リン化インジウムだ。シリコンフォトニクスウエハー上でリン化インジウムを直接加工することで、半導体メーカーはスケーラビリティとコストメリット、電力メリット、従来のシリコンフォトニクス技術では達成できなかったレベルの信頼性を実現できる」と説明している。
「1波長あたり200Gの伝送速度を容易に実現できる当社のリン化インジウム変調器は、シリコンのみの変調器に対して優れた優位性があると確信している。電力効率に関しても、当社の変調器は非常に低損失である。レーザーも、半導体における損失がわずか数パーセントでこちらも損失が低い。このように素子の損失と素子間の損失が少ないため、電力効率において他社を圧倒している」(Mader氏)
Mader氏は信頼性については、シリコンへ直接放射することで一定の故障モードを避けることができると説明した。
Mader氏は「通常、ディスクリートレーザーはリン化インジウムの塊の上に構造物が置かれたような形状をしている。同レーザーの重要な部分は端(エッジ)である」と述べた。
「エッジに不具合があれば、わずかなものでも故障原因の1つとなる。当社のレーザーにはエッジがない。シリコンに結合させ、シリコンへ放射させた上で、上部を密閉している。そのため、一定の故障モードについては発生しない」(同氏)
PDKに加え、OpenLightは厳選したメーカーに対し、到達距離が2kmの「400G-DR4」や「800G-DR8 PIC」に準拠したデザインを利用する選択肢も提供している。それにより、メーカーが市場投入までの時間を短縮できるよう促す。さらに、「400G-FR4」と「2x400G-FR4 PIC」に準拠したバージョンも開発中だという。
また、OpenLightは、製造コストをさらに引き下げるため、同社初となるオープンMPW(Multi Project Wafer)シャトルのテープアウトも計画している。このMPWシャトルはPH18DAプロセスを適用できるという。
現時点で、OpenLightには約40人の従業員がおり、200件以上の特許を取得している。生産準備は整っており、2022年夏に最初の顧客に向けたテープアウトが予定されている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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