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データセンター用RISC-Vチップレットの製品化を加速米新興企業のVentana(2/2 ページ)

» 2022年08月23日 11時30分 公開
[Nitin DahadEE Times]
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各国で関心高まるRISC-Vチップレット

 Ventanaは、どのようなけん引力を持っているのだろうか。さらに5500万米ドルを同社に投資することを投資家に納得させた理由は何なのだろうか。

 Baktha氏は、「Ventanaは、アジアの主要市場、特に台湾と韓国、日本への扉を開く新たな投資家を獲得した」と述べている。ただし、この投資家の名前は明らかにしていない。

 市場の反応に関しては、特に中国と米国のハイパースケーラーがVentanaのソリューションに熱い期待を寄せているという。一方、欧州は、高性能コンピューティングにおけるRISC-Vチップレットに大きな関心を示している。

 「中国はRISC-Vに対する関心が高く、特にサーバクラスの製品を求めているため、当社の成長をけん引している。中国はデータセンターに注力しており、当社は中国の全ての主要ハイパースケーラー企業と提携しているが、その全てがRISC-Vチップレットに関心を持っている。ある大手クラウドプロバイダーは、間違いなくRISC-Vを採用すると思われる。当社は、中国のハイパースケーラーと協力してインフラソリューションの開発に取り組んでおり、同ソリューションでRISC-Vをサーバに展開することを検討している」(Baktha氏)

 Baktha氏は、「米国は、2023年後半にデータセンターインフラで最初の大きな展開が予想される」と述べている。

 Ventanaに関心を寄せているのは、データセンターだけではない。Baktha氏によると、ある自動車メーカーが次世代ADAS(先進運転支援システム)用プロセッサの開発で同社と“深く関わっている”という。同氏は、「彼らはRISC-Vが差別化を促進することを認識しており、ディープマイクロアーキテクチャで当社と提携している」と説明。さらに、「極東の大手企業からも同様の関心が寄せられている」とも付け加えた。

 「他の分野では、Ventanaは、チップセットを(RISC-Vへ)移行することを検討している5G Open RANの主要プレーヤーや、Chromebookなどのクライアントデバイスに本格的に進出している」と同氏は付け加えた。

 このように、Ventanaは、RISC-Vベースのチップセットに注力することが、データセンターや自動車、5Gにおいて直面するHPCの課題のいくつかに対処する鍵となることを強く示している。Moor Insights&StrategyのCEO兼チーフアナリストであるPatrick Moorhead氏は2022年初頭に、次のように述べた。「チップレットは、高性能、無限の柔軟性、市場投入までの時間の利点を提供することから、半導体業界が向かうべき方向である」(同氏)

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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