Bagby氏は、現在発生している需要の平たん化をある程度予測していたという。リモートワークやステイホームによって生み出された需要が最終的に十分満たされれば、世界が再び開かれていくに伴い、別の方向へと転換が進むことになるからだ。
半導体需要は2022年末に、全体的に減少した。その背景には、PCなどの民生品需要が減少したことの他、自動車分野を悩ませていた半導体不足が解消に向かう兆候が見られるようになったことなどがある。しかし、RandのStrawn氏は、「世界はパンデミックによって変化し、まだ完全な回復を遂げていない」と指摘する。
現在、一部の分野では過剰在庫が存在しているが、他の分野においては、特定の部品や材料が不足し、結果としてデバイスの市場投入が妨げられているためだ。Strawn氏は、「中国がゼロコロナ政策を解除したことによって、輸送の混乱や工場の操業停止が緩和され、サプライチェーンが改善されるはずだ」と述べている。
Randは、顧客が余剰在庫を処理できるよう、生産能力の制約や材料の入手性などのサプライチェーンの問題に対処しつつサポートしている。Strawn氏は、「余剰分が消費されれば、2022年のスタート地点にほぼ戻るだろう」と語っている。
同氏は、「2023年にはDDR5の採用が遅れる可能性があるが、サプライチェーン問題の解決とともに、2024年には電気自動車の転換点とAIの進化が半導体市場をけん引し続けるだろう」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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