STMicroelectronics(ST)は「CES 2026」でAIデータセンターの電源に向けた12kW DC-DCコンバーターのリファレンスデザインを展示した。注目が集まっている直流800V電源アーキテクチャでの活用を想定したものになっている。
STMicroelectronics(以下、ST)は「CES 2026」(2026年1月6〜9日、米国ネバダ州ラスベガス)で、直流800V(800V DC)を50V DCに降圧する出力12kWのDC-DCコンバーターのリファレンスデザインを展示した。
同DC-DCコンバーターはAIデータセンターでの活用を想定したものだ。生成AIの普及が加速し、データ量や演算量が増加していることから、データセンターの消費電力が深刻な問題になっている。そのため、データセンターでは800Vの高電圧DCアーキテクチャへの注目が高まっている。特にNVIDIAが800V DC電源アーキテクチャを提唱して以来、さまざまな半導体メーカーがそれに呼応し、次世代パワーデバイスを用いた電源ソリューションの開発を発表している。
STが今回展示したリファレンスデザインもその一つだ。STの担当者は「このリファレンスデザインの特徴は2つある。1次側と2次側の両方に窒化ガリウム(GaN)パワーデバイス(GaN MOSFET)が使われていることと、トランスのサイズを小型化したことだ」と述べる。1次側にはSTの耐圧650V GaNパワーデバイスと、2次側には同100V GaNパワーデバイスを使用している。GaN MOSFETの動作周波数は1MHzで、これによりトランスを小型化できる。その他、GaNパワーデバイスドライバーICやマイコンなどもSTの製品が搭載されている。「トランスは特に大きなコンポーネントなので、ここを小型化することで、ボード自体のサイズを大幅に下げられる。スペースに制約があるサーバやデータセンターにおいて、小型であることは非常に意味がある」(ST)
さらにSTは、50Vから12Vに降圧するDC-DCコンバーターや、GPUなどのプロセッサ向けに12Vから0.8Vに降圧するDC-DCコンバーターなど、データセンター/サーバ用電源を構成するDC-DCコンバーターもそろえている。今後移行が進むとされるDC800Vアーキテクチャの市場を狙うべく、製品のラインアップ拡充を急ぐ。
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