米国の太陽光パネルメーカーであるSunPowerは、製造施設の閉鎖と統合で最大7000万米ドル弱のコストカットを見込む。施設の閉鎖で失われる生産能力は、同社の他の施設で生産量を増やすことで補うという。
太陽光パネルの製造を手掛ける米国のSunPowerは2012年4月16日、製造施設の閉鎖を発表した。これに伴い、操業コストを5100万〜6900万米ドル削減できる見込みだ。
SunPowerは、フィリピンの製造拠点の1つである「Fab 1」を閉鎖し、Fab 1での製造作業を、同じくフィリピンにある「Fab 2」に統合するという。同社は2011年11月に、「2012年における操業コストを10%削減することを目標にする」という経営改革案を発表していた。
SunPowerでプレジデント兼CEO(最高経営責任者)を務めるTom Werner氏は、報道発表資料の中で、「今回の決定により、操業コストの合理化やサプライチェーンのさらなる効率化を実現できる他、“規模の利益(スケールメリット)”によってワット毎の製造コストを低減することもできる。Fab 1を閉鎖することで約125MW(メガワット)に相当する生産能力が失われるが、それはFab 2と『Fab 3』の生産量の増加などによってある程度相殺される見込みだ」と語った。
Warner氏は、製造コストの削減や技術的優位性の拡大は、SunPowerにとって最優先事項であると述べた。同社は現在、製造ラインを12本所有しているが、そのうち2本は製造工程を15%削減できる製造プロセスを導入しているという。2012年末までには、全ての製造ラインに同プロセスを導入する予定だとしている。
SunPowerは、半導体パッケージング技術の開発を手掛けるDeca Technologiesなど数社に対し、Fab 1を借用するよう働き掛けているという。SunPowerはDeca Technologiesの少数株主でもある。Deca Technologiesは、電気信号のインターコネクト技術やWLCSP(Wafer Level Chip Scale Packaging)技術を半導体業界に提供するサービスを手掛けている。
Fab 1の従業員はFab 2に異動するか、Deca Technologiesなど、今後Fab 1を借り受ける可能性のある企業で雇用機会を与えられる予定だという。また、SunPowerはFab 1の一部の製造装置をFab 2へ移動することで、製造面での制約を減らす計画だ。
訂正あり 記事初出時、操業コストの削減金額について誤りがありました。お詫びして訂正いたします。なお本記事は、既に訂正済みです。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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