2012年第1四半期の半導体売上高ランキングは、Intelが2位のSamsung以下を大きく引き離してトップに立った。ただし、上位10社のうち前年同期比でプラス成長となったのは、Qualcommただ1社だけである。
IC Insightsは、2012年第1四半期における半導体メーカーの売上高ランキングを発表した。
上位10社のうち、最も堅調な伸びを示したのがQualcommだ。2012年第1四半期における同社の売上高は30億6000万米ドルで、前年同期比で56%の増加となっている。Qualcommは2011年第2四半期にAtheros Communicationsの買収を完了しており、このことが大幅な売上高の増加につながったとみられる。
なお、上位10社のうち、前年同期比で売上高が増加したのはQualcommただ1社だけである。
Intelは、安定した売上高で2012年第1四半期も首位の座を堅持した。第2位のSamsung Electronics以下を大きく引き離している。
ファウンドリ企業では、Globalfoundriesが、第1四半期のランキングでは初めて上位20社に食い込んだ。これに押し出される形で、エルピーダメモリは上位20社の圏外となった。IC Insightsによると、2012年第1四半期におけるエルピーダメモリの売上高は、前年同期比で34%低下したという。
会社更生法の適用を受けたエルピーダの管財人らは現在、Micron Technologyと、エルピーダの買収について議論している。そのMicronは、この四半期で売上高を前年比4%下落させており、2012年第1四半期の世界半導体売上高ランキングで順位を10位まで下げた。IC Insightsによると、同社がエルピーダを買収すれば、年間の売り上げに25億〜30億米ドルが上乗せされることになり、ランキングで8位もしくは9位に上昇すると見込まれるという。
IC Insightsは、2012年第1四半期の世界半導体売上高ランキング上位20社のうち、業界最大手といわれる半導体メーカー4社の売上高が前年比で減少したと述べた。また、Samsung ElectronicsとSK Hynixの同期の売上高はともに減少し、前年同期(2011年第1四半期)と比較した場合の減少率は2桁台になるという。
上位20社の売上高の合計は522億8000万米ドルで、前年同期と比べて4%減少した。現時点でIC Insightsは、「2012年の半導体市場は前年比で6%成長し、その後2013年にはさらなる成長が見込める」としている。2012年第1四半期の上位20社の売上高は全体的に不振であったものの、IC Insightsは2012年第2四半期以降の1年間で売上高は改善すると見込んでおり、半導体メーカー側も同様の見方をしているという。
IC Insightsによると、世界半導体売上高ランキング上位20社のうちほとんどが、2011年の第4四半期から2012年第1四半期にかけて、半導体業界における下降サイクルの底に達したとみられるという。世界経済が、低い成長軌道でも成長を続ける限り、半導体産業および半導体メーカーにとって2012年第2四半期以降の見通しは明るいとIC Insightは述べた。
【翻訳:米盛章弘、編集:EE Times Japan】
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