ロイター通信は、エルピーダメモリの社債権者グループが、SK HynixおよびGLOBALFOUNDRIES(GF)と、再生支援に向けて交渉を始めたと報じた。ただし、Hynix側はこれを否定しているようだ。
Reuters(ロイター通信)が2012年5月21日に発表した報道によると、会社更生手続き中であるエルピーダメモリの社債権者グループは、Micron Technologyが提示する買収金額が低すぎるとして、代わりにSK HynixおよびGLOBALFOUNDRIES(GF)と交渉を始めたという。
匿名筋の情報によると、GLOBALFOUNDRIESは、エルピーダの重要な生産拠点である広島工場の買収に関心を示しているという。一方SK Hynixは、エルピーダと台湾のPowerchip Technologyが合弁で設立したRexchip Electronicsの株式取得に関心があるようだ。
Micron Technologyは2012年5月10日に、エルピーダ買収に向けて交渉中であることを正式に発表し、数週間にわたり続いていた臆測を終わらせた。エルピーダは、2012年2月に会社更生法の適用を申請して以来、再生支援先を探してきた。ロイター通信の以前の報道によると、Micron Technologyは25億米ドルを超える入札金額を提示して、エルピーダとの独占交渉権を獲得したとされていた。
SK Hynixは、エルピーダ買収に向けて第1次入札に参加していたが、最終段階で撤退したと報じられていた。
Micron Technologyは2012年5月初めに、エルピーダの買収にあたり東京地方裁判所に入札を申請した。もしSK HynixとGLOBALFOUNDRIESが、Micron Technologyよりも高い買収金額の支払いに合意した場合は、エルピーダの社債権者グループは、東京地方裁判所の認可を得てから代替の再生計画案の提出を行う可能性があるという。ロイター通信によれば、これまでの日本企業の破産申請において、代替の再生計画案を提出することは極めてまれだという。
ただし報道によると、SK Hynixの広報担当者は、エルピーダの社債権者グループとは交渉していないとコメントしているようだ。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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