日置電機は、各種電池やキャパシタの開発や出荷検査などに向けたインピーダンスアナライザを開発した。8月末までに発売する予定だ。インピーダンス測定の結果から等価回路パラメータを求める解析機能を備えており、電気化学部品の専用モデルも4種類用意した。
日置電機は、電気化学分野の材料や部品に向けたインピーダンスアナライザ「IM3590」を開発し、「TECHNO-FRONTIER 2012(テクノフロンティア2012)」(2012年7月11〜13日、東京ビッグサイト)に出展した。2012年8月末までに発売する予定の新機種である。イオンの挙動など、電気化学分野で必要とされる低周波領域のインピーダンス測定に対応した。具体的には、測定周波数の下限が1mHzと低い。上限は200kHzで、溶液抵抗などの測定が可能だ。各種電池やキャパシタなどの開発や出荷検査に使える。
対象物のインピーダンスを測定し、その結果から等価回路を解析する機能を備えたアナライザである。等価回路解析に使うモデルとして、電気化学部品のモデルを4種類用意した。「電荷移動抵抗や電気二重層容量などを分離して解析できる」(同社)。汎用のインピーダンスアナライザを使う場合は、測定結果を外部に取り出して、PC上で電気化学部品の等価回路解析を実行する別売のソフトウェアを利用するといった手法を使う必要があったという。
インピーダンスアナライザとしての主な仕様は以下の通り。測定レンジは100m〜100MΩで、10段階のレンジ設定が可能だ。基本確度は読み値に対して±0.05%。測定時間は最短2ms。インピーダンスの他、誘電率や導電率など合計で18項目を測定できる。最大801点の周波数スイープ測定に対応しており、結果をCole-Cole(コール・コール)プロットで表示可能だ。レベルスイープ測定やタイムインターバル測定にも対応する。等価回路解析のモデルについては、前述の4つの電気化学部品モデルに加えて、一般的な回路素子部品のモデルも5つ用意した。ディスプレイは、5.7インチ型カラー液晶パネルを採用している。
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