ニコンは、450mmウエハーによる半導体デバイス製造の実用化を目指すコンソーシアム「G450C」で使用されるArF液浸露光装置を受注したと発表した。2013年1月のIntelからの受注に続く案件。450mmウエハー対応露光装置で先行する。
ニコンは2013年7月4日、米国ニューヨーク州立大学の研究財団であるResearch Foundation for the State University of New York(SUNY研究財団)との間で、プロセス開発向け450mmウエハー対応ArF(フッ化アルゴン)液浸露光装置の販売とウエハーパターニングの受託について契約を締結したと発表した。受注額は300億〜400億円程度とみられる。装置の出荷は2015年4月予定としている。
受注した450mmウエハー対応ArF液浸露光装置は、College of Nanoscale Science and Engineering(CNSE)に本部を置くコンソーシアム「Global 450 Consortium」(G450C)の会員企業により、プロセス開発、評価、デモンストレーションなどに使用される。ニコンもエンジニアを派遣してリソグラフィーに関するソリューションを提供するとしている。
2011年9月に設立が発表されたG450Cは、450mmウエハーによる半導体デバイス製造の実用化を目指している。参加企業はIntel、IBM、GLOBALFOUNDRIES、TSMC、Samsung Electronicsの5社。
ニコンは、今回の受注に先立ち、2013年1月にIntelから450mmウエハー対応ArF液浸露光装置を4台受注している。ニコンは、「今回の受注は、先般の大手デバイスメーカーからの受注に次ぐもので、ニコンの装置開発が評価され、確実に信頼を得た結果であると考えている。これにより2017年の量産装置出荷に向けて、今後、他デバイスメーカーから同装置の受注拡大が期待される」とコメントしている。
450mmウエハーは、300mmウエハーと比べ、半導体チップの生産性を1.8倍以上に高められるとされる。TSMCが2012年9月に「2014〜2015年には450mmに対応する装置関連の規格を策定し、2016〜2017年に試験的な製造ラインを立ち上げ、2018年には量産を開始する予定だ」との意向を示す(関連記事:TSMC、2018年に450mmウエハーで製造開始へ)など2017〜2018年ごろから450mmウエハー製造ラインの量産稼働が開始されるとみられている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.