Molecular Imprintsは、同社のリソグラフィ装置「Imprio 450」が、ある半導体メーカーに採用されたことを明らかにした。同製品は450mmウエハーによる半導体チップの製造に対応しているという。同社は「Imprio 450により、450mmウエハーへの移行を、少なくとも2年は早められる見込みだ」と主張している。
ナノインプリントリソグラフィ装置を手掛ける米国のMolecular Imprintsは2013年1月17日、同社のリソグラフィ装置「Imprio 450」が、ある半導体メーカーに採用されたことを明らかにした。メーカー名については公表していないが、同製品は450mmウエハーによる半導体チップの製造に対応しているという。同社は、「Imprio 450が利用可能になることで、半導体業界が現在進めている450mmウエハーへの移行を、少なくとも2年は早められる見込みだ」と主張している。
Molecular Imprintsによると、Imprio 450は2012年末にある半導体メーカーに採用された。複数年にわたるサービス契約の一要素として使われているという。
Molecular Imprintsのナノインプリントリソグラフィ技術「J-FIL(Jet and Flash Imprint Lithography)」を利用すれば、24nmのパターニングが行えることは実証済みである。ライン幅変動(LER:Line Edge Roughness)の3σが2nm未満、クリティカルディメンジョン均一性(CDU:Critical Dimension Uniformity)の3σが1.2nmという性能が実現されている。これにより、シングルステップのプロセスで10nmのパターニングが実現可能であるという拡張性が示されたことになる。
Molecular ImprintsのCEO(最高経営責任者)を務めるMark Melliar-Smith氏は、発表資料の中で、「現在の光リソグラフィの開発プログラムでは、複数年にわたって数十億米ドルの規模で資金を投じることが当たり前になっている。このような時代にありながら、当社は顧客からの発注を受けてからわずか1年以内に、ナノインプリント技術のプラットフォームの設計/組み立てを実施し、納品までを行うことができる」と述べている。その上で同氏は、「Imprio 450は、半導体メモリの製造に求められる要件にも十分対応できる性能を備えている。当社は、J-FIL技術を最先端のCMOSデバイスの量産に適用すべく、取り組みを進めている」と付け加えた。
2013年1月14日、半導体関連の業界団体であるSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)が米カリフォルニア州ハーフムーンベイで「ISS(Industry Strategy Symposium) 2013」を開催した。このシンポジウムにおいて、Intelのコーポレートバイスプレジデントを務めるRobert Bruck氏は、完全なパターンを実装した業界初の450mmウエハーを公開している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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