インテルがモノのインターネット(IoT)市場に向けて新しいグループを設立した。低電力の新プロセッサファミリ「Quark」が、同グループが扱う主力の製品となる。
Cisco Systemsなど技術系の大手企業の後に続き、Intelはモノのインターネット(IoT:Internet of Things)関連のグループ「Intel Internet of Things Solutions Group」新たにを設立した。Intelの組み込み製品部門に長年在籍してきたDoug Davis氏がゼネラルマネジャーを務める。このグループは、IntelのCEOであるBrian Krzanich氏が率いる経営チームの直下になるという。
新たに設立されたグループには、Intelの子会社Wind Riverが含まれる。「Atom」およびSoC(System on Chip)の「Quark」が同グループの主要製品となる。Intelは今後、Wind River製のソフトウェアや、セキュリティ関連製品を手掛けるMcAfeeなどの子会社が製造したコードを用いて、これらの製品を拡張する計画だ。
このグループは、工業オートメーション、小売り、航空宇宙、自動車などを含むほとんどの組み込み製品市場に注力する。
Intelは、同社のプロセッサ「Pentium」レベルのQuarkを搭載した、低コスト/低消費電力の32ビット組み込みアプリケーションプロセッサの投入を目指している。2013年中にもサンプルを完成させ、2014年4月までに生産を開始する見込みだ。Davis氏はEE Timesとのインタビューの中で、「顧客企業は、Intelのアーキテクチャの拡張性に価値を見いだしている」と述べた。
Davis氏は、IntelがQuarkを低価格市場へ投入するかどうかについては言及を避けた。現在、同市場にはARMアーキテクチャなどが存在する。Davis氏によると、Quarkは産業オートメーションなどの分野に向けて、ゲートウェイからエンドポイントまで幅広く対応したいとしている。
同氏は、「Wind RiverやMcAfeeなどの資産を用いて、AtomとQuark向けにより完成されたソフトウェアスタックやプラットフォームを開発する」と付け加えた。
Davis氏はIntelでのキャリアを軍事部門の製品エンジニアとしてスタートした。2005年に、Intelの組み込みおよび通信製品部門のゼネラルマネジャーに就任している。
Davis氏は、ネットブックおよびタブレット端末部門の陣頭指揮を執ることになったが、その後1年もたたないうちに同部門はスマートフォン部門と統合し、より広範なモバイル部門となった。この1年間は、Davis氏はゼネラルマネジャーとして、Intelが米国アリゾナ州に置くウエハー製造施設の運営を担っていた。同氏はそこでの経験を「素晴らしい学びの機会だった」と述べた。
【翻訳:青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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