レーザーテックは、貫通電極(TSV:Through Silicon Via)裏面研磨プロセス測定装置「WASAVIシリーズBGM300」のパネル展示を行った。干渉計とIR光学系を搭載することで、これまでは困難だった研磨前に微小径TSVの深さを測定することが可能となった。複数のシリコンウエハを積層するメモリ製品などの組み立て工程に向ける。
レーザーテックは、「SEMICON Japan 2013」(2013年12月4〜6日)で、貫通電極(TSV:Through Silicon Via)裏面研磨プロセス測定装置「WASAVIシリーズBGM300」のパネル展示を行った。干渉計とIR光学系を搭載することで、これまでは困難だった研磨前に微小径TSVの深さを測定することが可能となった。複数のシリコンウエハを積層して、大容量化とコスト削減を目指すメモリ製品などの組み立て工程に向ける。
メモリなどのICチップでは、大容量化とコスト削減に向けて、最大16枚程度のシリコンウエハを積層し、ウエハ間をTSVで垂直に接続する3D実装技術が注目されている。このためには、シリコン裏面を研磨/エッチングして電極を露出させ、シリコン内部を上下に貫通させる必要がある。電極を露出させる方法としては、まず機械的な研磨を行い、そのあとエッチングを行うのが一般的である。
BGM300は、研磨前にシリコン厚みとTSV深さなどを正確に測定することができる。また、研磨後のシリコン厚みを測定することもできる。「研磨前の測定データをもとに、装置開発で協力関係にあるディスコ製装置で研磨すれば、より効率的にウエハ裏面の研磨を行うことができる」(説明員)という。
300mmウエハの厚みは一般的に775μm程度といわれる。このウエハ裏面に電極を露出させるために、研磨とエッチングでウエハを40μm厚程度まで薄くする。この時、「ウエハは接着剤でサブストレートに貼り付けられており、接着剤などが影響して必ずしも平面ではないことが多い」(説明員)と話す。このため、シリコンの厚みとTSVまでの深さを正確に測定しないと、TSV部分まで研磨してしまいCu汚染の原因となることがある。逆に機械的な研磨量が少なくなれば、そのあと行うエッチングに時間とコストがかかる、という問題があった。
BGM300は、フォトマスク向け位相シフト量測定装置に採用している独自の干渉計と、新たに開発したIR光学系を組み合わせている。これによって、従来のIR光学系では測定が困難であった、直径が10μmと微小なTSVでも、その深さ方向の測定が可能となった。しかも、その測定精度は0.01μmと高い。
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