Samsungの担当者によると、「Tizenは、よりシンプルなOSと柔軟性のあるフォームファクタ、サービスの種類に応じた機能を統合するという特長を持つ。一方のRTOSは、Tizenよりもユーザーインタフェースが少なく、機能が必要最小限に絞られている。Android Wearは、Googleサービス向けに最適化された直感的なOSだ」と述べる。
同担当者は、「SamsungはGear Liveを、Googleのソフトウェアエコシステムに統合されたユニークな端末にしたいと考えている。Gearシリーズの業界最高レベルのデザイン性能と組み合わせることにより、ユーザーに向けて、完全なAndroidベースのウェアラブル体験を提供することができる」と述べている。
TizenがAndroidの置き換えを実現するにはまだ時間がかかりそうだが、Samsungは引き続き、Tizenを旧型デバイスでサポートしていくという。コンサルティング企業であるCreative Strategiesでコンシューマテクノロジー担当ディレクタを務めるBen Bajarin氏は、「Tizenは、Samsungのテレビ向けプラットフォームとして使われるのではないか」と推測している。
同氏は、「SamsungにとってTizenは、Androidを採用するよりも製品の差異化を図りやすくするためのOSだ。そのため、SamsungがTizenの採用を諦めることはないだろう。前世代のGearにTizenを採用したのは、Tizenのエコシステム構築を進めようとしたのではないか。ただ、われわれの見解では、Tizenのエコシステムにそれほどの変化はない」と述べている。
「Android Wearの登場で、Googleは、Android対応のサービスをスマートフォン以上に拡大すべく、ウェアラブル機器というカテゴリにおける基礎を築いた。これによって、より多くの開発者に向けてウェアラブル機器開発の門戸が開かれたことになる。同市場の成長も加速するだろう」(Bajarin氏)。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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