また性能向上による低消費電流化を狙って、送信高調波を除去するための回路(不要波除去回路)を改良。2次高調波を除去するための高調波除去フィルタ(LPF)の前段に、2次高調波をDC(0次)に戻す働きのキャリブレーション回路(PDET)を追加。これにより、「LPFのみでは、製造ばらつきで生じるDCオフセットに対し弱かったが、簡単なキャリブレーション回路を追加することでDCオフセットが生じてもより確実にフィルタとして機能するようになった。これまでDCオフセット、すなわち製造で生じるばらつきのワーストケースを考慮して消費電流を高く設定していたものを、低く抑えられるようになった」(ルネサス)という。
これらの回路の工夫により、従来よりも外部受動素子を1/3程度まで減らした上で、受信時2.1mA、送信時3.5mAという「世界最小消費電流のRFトランシーバ」の開発に成功した。
RFトランシーバは、40nmプロセスを使用して作製し、RFコア面積は1.1mm2としている。最小受信感度は−94dBm、イメージ周波数妨害は−20dB以上と「従来のBluetooth Low Energy用RFトランシーバと同等の性能を達成している」(ルネサス)。開発したRFトランシーバ技術の製品化時期は未定だが、早期にマイコンに搭載して製品化する見込みだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.