Samsung 14nmプロセッサ「Exynos」に刻まれた文字から探る:製品解剖(2/2 ページ)
Exynos 7420で、“GXL4928R”の刻印のGという文字は、Exynos 4412の“GKL799X”、5422の“GFL2349C”、5433の“GFL2349C”にも含まれている。
われわれは、この“G”はファウンドリコードではなく、PoP(Package on Package)メモリモジュールにGLOBALFOUNDRIESのSRAMメモリを搭載していることを表しているのではないかと考えた。
だが、旧世代のExynos(4412/5422/5430/5433)は14nmプロセスよりもずっと前に製造されている。つまり、GLOBALFOUNDRIESがSamsungの14nmプロセス技術のライセンス供与を受ける前に製造されているのだ。GがGLOBALFOUNDRIESを表わしているのでもないとすれば、残る可能性として、Exynos 7420はSamsungが自社で製造していることが考えられる。
Exynos 7420のダイの写真 出典:Teardown.com
Exynos 7420の断面を見ると、14nm FinFETを適用していることがよく分かる。コンタクテッドゲートピッチの幅は約77nmで、20nmプロセスを適用したExynos 5430の90nmに比べて、15%小さくなっている。さらに、査型電子顕微鏡(SEM)画像から、メタルゲートの側面と底面を覆っているゲート誘電体と仕事関数金属が、置換ゲートプロセスと一致することも分かる。
Exynos 7420の断面のSEM画像
Samsungは、2014年9月にリリースしたExynos 5420では20nmプロセスを採用している。それからわずか7カ月で、14nmプロセスを適用したExynos 7420を製造したのは驚くべき進化である。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
- 「Galaxy S6」でサムスンは勢いを取り戻す?
Appleと中国のスマートフォンメーカーを相手に苦戦を強いられているSamsung Electronics(サムスン電子)だが、「Galaxy S6」「Galaxy S6 edge」の投入で風向きが変わるかもしれない。
- Samsung「Galaxy S6 edge」を分解
「Mobile World Congress(MWC) 2015」で注目を浴びた、Samsung Electronicsの最新スマートフォン「Galaxy S6 edge」。日本では、NTTドコモとKDDIが4月下旬に販売すると発表したばかりだ。iFixitが、Galaxy S6 edgeを分解していたので、メインボードの搭載部品を中心に見ていきたい。
- サムスンとGLOBALFOUNDRIESが14nmチップで提携、2014年内に製造開始へ
サムスン電子(Samsung Electronics)とGLOBALFOUNDRIESは、同じ14nmプロセスを使用してチップを製造することで合意した。サムスンは2014年内に、GLOBALFOUNDRIESは2015年前半にも量産を開始する予定だとしている。
- サムスン、中国スマホ市場で2014年Q4のシェアが5位に急落
中国のスマートフォン市場において、メーカー別シェアランキングの顔ぶれが大きく変化している。特に、Samsung Electronics(サムスン電子)のシェアが大幅に低下した。前年同期では18.8%でトップだったが、1年で7.9%と一桁台までシェアを落とした。
- 「GALAXY S5」を分解、心拍から指紋までセンサーの存在感が際立つ
サムスン電子の最新スマートフォン「GALAXY S5」を分解した。プロセッサは8コアの「Exynos 5422」。目立った特徴の1つは、心拍センサー、気圧センサー、湿度センサー、指紋センサーなど、センサーが数多く搭載されていることだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.