さらに、イメージセンサー内部には故障を検出するための機能を搭載しており、ASILのレベルBに対応可能な設計となっている。また、動作温度範囲は−40〜105℃でAEC-Q100認証に適合するなど、車載用途の仕様となっている。
この他、連続したフレーム間でHDRモードからLFMモードへの高速切り替えなど、最大4つの独立したスイッチングを行うことができる。また、複数のカメラからの映像出力が一斉にECUに送られてきた場合でも、システムキャリブレーション機能を搭載したことで、全てのカメラ映像についてラインベース、フレームベースで同期できる。さらに、MIPIやパラレル、HiSPiといったマルチデータインタフェース機能も搭載している。
オン・セミコンダクターでイメージセンサーグループオートモーティブ担当のプロダクトラインマネージャを務めるNarayan Purohit氏は、「車載向けCMOSイメージセンサー市場は、ADAS用途を中心に拡大を続けており、2014〜2018年の販売額は年平均成長率28%増と予想されている。特に、ADAS用途における当社のシェアは70%を占めている」と話す。
現在、同社は車載用イメージセンサー製品として10種類を量産中で、その出荷数量は累計で1億個を超えるという。
車載向けイメージセンサーは当初、運転支援のためのリアビューカメラなどの用途で需要が拡大した。それに加えて現在は、自動緊急ブレーキ機能を実現するためのステレオカメラなどへの採用も進み、車両1台当たり6個のカメラモジュールが搭載されているとみられている。近い将来は運転者モニターなども追加されることから、搭載されるカメラモジュールの数は10個に達する見通しだ。
同時に、将来の半自動/自動運転車両の実現に向けて、ADASに要求される性能や機能も高度化する。Purohit氏は、「搭乗者と歩行者の安全性をさらに向上させていくためには、先進のADASが不可欠となる」と述べた。その上で、次世代ADASセンサーの要件として、「低照度SNR」、「フリッカーフリーHDR」、「より高い解像度」、「ISO 26262適合」、「低コスト」などを挙げた。こうした市場の要求に対してAR0231ATを開発し、2016年より量産を開始することにした。
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