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次世代ミリ波レーダー用IC、チップセットで提供技術革新でコストダウン、世代ごとに3割削減(3/3 ページ)

» 2015年11月06日 11時30分 公開
[馬本隆綱EE Times Japan]
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対象物との距離も検知するイメージセンサー

 将来の自動運転システムに欠かせない技術の1つがドライバモニタリング技術である。この用途に向けて、インフィニオンは3次元イメージセンサーチップ「REAL 3」を供給する。REAL 3は、赤外光がカメラから被写体までを往復する時間を測定するタイムオブフライト(ToF:Time of Flight)の原理を用いて開発されたチップである。複雑なアルゴリズムを用いた処理を行うことなく、単眼カメラで被写体までの距離も測定することが可能である。測定できる距離は、測距用に用いるLED光源の出力によって異なるが、車内用途であれば1m程度だという。

 ダイナミックレンジが広いのもREAL 3の大きな特長である。太陽光が強く、ドライバの顔に影ができるようなケースでも、ドライバの顔の位置や向き、瞬きなどを検出/認識することができる。低照度にも強いという。画素数は10万画素である。すでに産業分野ではロボットや監視カメラなどの用途で採用されている。ADAS向けでは、Leopold KostalがREAL 3を用いた3次元カメラシステムを開発中である。ドライバが眠気の兆候を示していたり、注意力が低下したりした時に、その挙動を検知するシステムである。必要であれば警告音などを発して事故を未然に防ぐことができる。

3次元イメージセンサーチップ「REAL 3」(右上)と高コントラスト時の映像イメージ (クリックで拡大) 出典:インフィニオン

日本市場でもミリ波レーダーシステム向け事業がけん引

 日本市場での取り組みについても語った。センサー事業は日本市場でも注力している分野である。Bornefeld氏は、「他地域に比べると、日本の自動車メーカーはバックモニターや自動ブレーキシステムにカメラシステムを搭載している比率が高い。一方で、ミリ波レーダーシステムに関心を持つ自動車メーカーも少なくない。日本は人口密度が高くミリ波レーダーシステムをうまく活用できる市場でもある。5年後にはミリ波レーダーシステムも大きな市場となるだろう」と分析する。

 インフィニオンの日本法人では、今後の5年間で年平均成長率15%の売上高成長を見込んでいる。その中で、ミリ波レーダーシステムなどのセンサー事業が高い成長をけん引していくと期待する。

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