テック系スタートアップ企業が集う「INNOVATION VILLAGE」は、2015年から開始され、SEMICON JAPANでは恒例の企画となっている。スタートアップ企業にとっては、投資家やエレクトロニクス業界の技術パートナーに対して、ピッチやレセプションなどにより自社をアピールすることができる絶好の機会だ。
今回より、INNOVATION VILLAGEへ出展するスタートアップ企業の選出とピッチの審査に委員会(INNOVATION VILLAGE Committee)が設置された。この委員会は、TELベンチャーキャピタル社長の圓城寺啓一氏やインテルキャピタルインベストメントディレクターの浅田賢氏など、メンバーは半導体業界の大物ベンチャーキャピタリストであり、ピッチがさらに白熱するはずだ。
過去にINNOVATION VILLAGEへ出展したスタートアップが実際のビジネスマッチングに成功した例を挙げ、中村氏は「異分子を取り入れることによって、半導体業界にイノベーションを起こすきっかけとなれば」と語る。
SEMICON JAPAN 2017では、人と人のマッチングを促進するイベントもさらに充実を図っている。2016年より実施されているハッピーアワーでは、開催中日の12月14日の午後4時より出展者ブースで飲み物や軽食が振る舞われ、リラックスしたムードで情報交換ができるだろう。
今回から新しく企画された「GETOGETHER」は、技術シンポジウムのリソグラフィ、パッケージングに関するセッション参加者が招待されるネットワーキングイベントだ。GETOGETHERはこれら技術セッション終了直後に実施され、最先端のテクノロジーに対して技術セッション登壇者と参加者が課題意識を共有した後、議論を深めてもらうのが目的だという。
若手層向けのネットワークイベント「INNOVATE Reception」も用意されていて、先述のINNOVATION VILLAGE参加者や、各社の若手社員や学生がハッカソンやディスカッションを行うイベント「MIRAI GAKKO」の参加者が、会社や立場の垣根を超えてつながることができるとする。
今回のSEMICON JAPAN出展社は750社と前年より増加し、来場者数も3日間で延べ7万人を見込む。2017年の半導体設備投資も前年比20%増が予想されており、中村氏も「業界の景気は良いと考えており、日系メーカーも投資を増やしつつある」と強調する。「日本市場は半導体の材料と製造のどちらも強いというバランスの良さが特長。世界では複数のSEMICONが開催されているが、製造の前工程と後工程で明確にゾーニングができるのはSEMICON JAPANだけだ。バランスの良い日本半導体業界の未来をSEMICON JAPANで感じてほしい」とした。
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