Seagateは製品別の売上高を、「HDD製品」と「その他(SSD製品やシステム・ソリューションなど)の製品」に分けて公表してきた。売り上げのほとんどを占めるのは、「HDD製品」である。「HDD製品」の売り上げは前四半期(前期)比26%減、前年同期比38%減の17億7200万米ドルとなった。「その他(システム・ソリューションやSSD製品など)の製品」の売り上げは、前四半期(前期)比21%増、前年同期比5%増の2億6300万米ドルである。
Seagateは、HDDの総出荷記憶容量と1台当たりの記憶容量(平均記憶容量)を製品分野別に公表してきた。製品分野には「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」の2つがある。マスキャパシティ品には、ニアラインHDD、画像データ(VIA:video and image applications)用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。レガシー品にはミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソール用HDDなどが含まれる。
マスキャパシティ品の総出荷記憶容量は、2023会計年度第1四半期(2022年7月〜9月期)に104.0EB(エクサバイト:1018バイト)である。前四半期(前期)比25%減、前年同期比21%減といずれも20%を超える大幅なマイナス成長となった。マスキャパシティ品の大半を占めるニアラインHDDの総出荷記憶容量は85.1EBである。こちらも前四半期(前期)比28%減、前年同期比20%減と20%以上の大幅減となった。
マスキャパシティ品の平均記憶容量(1台当たりの記憶容量)は前の四半期から0.3TB増加し、11.8TBとなった。大容量化の傾向は継続している。マスキャパシティ品の売上高は約14億米ドルで前四半期の約19億米ドルから大幅に減少した。HDD全体の売上高に占めるマスキャパシティ品の割合は前の四半期に比べて2ポイント低下し、78%となった。
レガシー品の総出荷記憶容量は2023会計年度第1四半期(2022年7月〜9月期)に前四半期(前期)比11%減、前年同期比47%減の14.3EBである。前期比の漸減傾向はあまり変わっていない。平均記憶容量(1台当たりの記憶容量)は2.1TBで、前の四半期から0.1TB増加した。
HDD全体の総出荷記憶容量は118.2EBである。マスキャパシティ品の大幅減が響いた。前四半期(前期)比は24%減、前年同期比は26%減といずれも20%を超える大きな縮小となった。
HDD全体の平均記憶容量は7.5TBと前の四半期から0.3TB低下した。マスキャパシティ品の比率が低下し、レガシー品の比率が上昇したことがうかがえる。
⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.