東京大学は、次世代半導体向けガラス基板に対し、極めて微細な穴あけを高いアスペクト比で実現できる「レーザー加工技術」を開発した。ガラス基板はAGC製の「EN-A1」を用いた。
東京大学は2025年5月、次世代半導体向けガラス基板に対し、極めて微細な穴あけを高いアスペクト比で実現できる「レーザー加工技術」を開発したと発表した。ガラス基板はAGC製の「EN-A1」を用いた。
半導体チップは、微細化とともに大面積化も進んでいる。このため、半導体チップを実装する回路基板も、微細な配線や大面積化、高周波化などに対応する必要がある。そこで注目されているのがガラス基板である。高周波特性に優れ、大面積で平たんなど、多くの特長がある。ただ、回路基板の表裏をつなぐ配線のため、基板には微細な穴を精密に貫通させる必要がある。これがガラス基板の課題といわれてきた。
開発チームは今回、超短パルスの深紫外レーザーを用い、EN-A1に直径10μm以下の穴を25μm間隔で貫通させた。実験では厚みが100μmのガラス基板に対し、入射側は直径6μm、出射側は2μmの穴を貫通させることに成功した。アスペクト比は20程度で、従来の化学的なエッチング手法による穴あけ加工よりも、高いアスペクト比が得られた。廃液処理などの環境負荷も低減できるという。
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