次は2番の「生成AIとデータセンターの需要が拡大(Gen-AI & data center demand growth)」である。ハイパースケールデータセンター事業の売上高に占める設備投資の割合は2021年第1四半期から2022年第3四半期にかけて13〜14%で推移した。Handy氏はこのくらいの比率がノーマルだと評価した。続く2022年第4四半期から2024年第1四半期までは11〜12%に低迷(downturn)する。
ところが投資の割合が上向き始めた2024年第1四半期以降、売上高に占める設備投資の割合はかなりの勢いで増加し続けた。2024年第3四半期には15%を超え、2025年第1四半期には20%に近い水準に達している。
このような「異常」ともいえる設備投資の急増は、続けることはできないとHandy氏は予測する。言い換えると、メモリ業界とストレージ業界に対して警告を発している。
3番の「性能とトータルコストは同じ(Performance=TCO)」はスライドによる説明がなかった。4番の「HDDとSSD(HDD & SSD)」に移ろう。かつてはSSDの普及によってHDDが駆逐されるとの予想があった。確かに高性能HDDとクライアントHDDの市場規模は著しく縮小した。しかし超大容量HDD(特にニアラインHDD)は記憶容量当たりの単価がSDDよりも大幅に低いことから、むしろ市場規模を拡大しつつある。
現在ではSSDとHDDは異なる役割を担っており、将来も共存していくとの予測が支配的だ。HDDではエネルギーアシスト技術が商用化されたことで、記憶容量拡大の限界がさらに先へと伸びた。このことも、「将来の共存」という見方を裏付けている。
HDDとSSDのテラバイト(TB)当たり単価(米ドル)の推移。数字(%)は年当たりの単価変動率。2010年前後はSSDの単価減少率がHDDの2倍を超えていた。それが2015年以降になると、両者の単価減少率があまり変わらなくなっている[クリックで拡大] 出所:2025 Proceedings of FMS、Objective Analysis5番は「次世代半導体技術(Emerging semiconductor technologies)」である。その代表は次世代不揮発性メモリ(Persistent memory)だろう。磁気抵抗メモリ(MRAM)、相変化メモリ(PCM)、強誘電体メモリ(FRAM)、抵抗変化メモリ(ReRAM)は、埋め込みメモリ用途を含めるとすべてが実用化済みだ。単体メモリ用途では、クロスポイント構造やNAND構造などによる立体化で記憶密度を高めようとしている。
そのほかの次世代半導体技術としては、「チップレット/パッケージング」「シリコンレーザー」「裏面電源」「EUV」「リボンFET」「AIアシストによるフロアプランニング」を挙げていた。
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